アリシア・バレ

ボンソワール(こんばんは)。
わたしの名前はアリシア・バレ。
この物語『空繰のイヴ』の主人公よ。


田舎町のコルマール生まれで、9歳の時に旅立ち、やっとパリへやってきたの。


オペラ女優になりたいのだけど……
あいにく歌の才能もないし、みすぼらしい格好だし、容姿はよくないし――どうなるか不安。

アベル

そんでもってこいつを指導するのが俺、アベルだ。

ビスクドールだが、きちんと感情はあるから「感情の先生」と言ってくれて構わない。
どの人間よりも表層演技をこなすのは得意だ!


昔に色々あって古臭ぇ骨董屋で売られてるところ、アリシアに買われたんだ。

夕方から夜はよく「セレナーデ」っつー図書館に行って本を読み漁ったりする。

え、右目はどうしたって?
おいおい、聞いたら呪われてしまうぞ。まぁ、いずれ話すよ。いずれな。

エリゼ・バレ

なぁによ、面倒くさいわねぇ……。
あたしはエリゼ・バレ。
認めたくないけど、アリシアの双子の妹よ。

せっかくパリで順風満帆な生活を送ってたのに、アリシアがやってきたせいで全てパァよ。


――何とかして追い出してやるんだから。
え? なんでアリシアが嫌いかって?

……教えるわけないじゃない。もう、思い出したくないんだから聞かないでちょうだい。

スケル・トーン

グッド・イヴニング!

俺はイギリス生まれだから、決してボン・ソワールとは言わねぇぜ! 
骨になってもその意志は変わらねぇ!


俺はスケル・トーン。
「セレナーデ」っていう図書館にいる美骨青年だ。


アリーシャ――おっと失礼、英語訛りが。
アリシアは本当に可愛いよなぁ……。
彼女を見る度に胸骨が響くんだが、もしかしてこれって、こ――。

オズウェル

すまないね、うちの骨が失礼したよ。

スケル・トーン

って、おい! オズウェルの野郎め、まだ最後まで言ってな――。

オズウェル

僕はオズウェル。
このしがない骨と一緒に、「セレナーデ」の図書館を運営しているんだ。

ちなみに、館長だから知らないことは是非僕に聞いてね。


僕も骨やアベルと同様、人間じゃないんだ。
もともと黒猫だったんだけど、死んでから時を経てこうなったんだ。
どうぞよろしくね、お嬢さん。

ベル・デスタン

わたくしはベル・デスタン。
ただのブルジョワジーと思われたら困るわ。
由緒正しき貴族だから、そこのところ間違わないように。


わたくしのことを話してほしい? 
ふふ、仕方ないわねぇ。わたくしはね、博物学が好きで標本趣味があるの。
美しいものは何でも好きよ。


生死・男女問わず美しいものは全て愛するわ、ふふふ……なに、引いてんじゃないわよ。蝋人形にするわよ。



わたくしの見立てが間違いなければ、アリシア・バレ――彼女は宝石の原石に違いないわ。
ああ、もう! コレクションしたくなっちゃう!

エリオ

俺は、エリオ・エスポージト。
イタリア生まれの芸術家のひよっこさ。

暗い作品ばかり仕上げるせいで、「影の画家」と呼ばれたりするが、まあ致し方ない。
「光の画家」のモネには負けないから覚えておけよ。


なに、顔ー?
顔は生まれつき非対称なんだ。
なあに、怖がらなくていい。
別に、美人しかとって食わねぇよ。


俺は食べていくために、仕事は選ばない。
ベル様の趣味の悪……高尚な趣味のために仕事を請け負うこともある。


ベル様の前で良い顔をするのが疲れるから、癒されるために「レヴェイユ」という温室へ行くのが習慣となっているが……。
まさか、あんなことがあるとはな。

ニナ

私はニナ。
パリで花売りの仕事をして生計を立ててるの
アリシアがよく買いに来てくれて有り難いわ。


学校? もちろん通っているわ。
今のパリでは貧困な屑屋の娘ですら学校へ行けるの。


ただ――耳が聞こえないのが最大の不幸かしら
ええ、周りの音はもちろんのこと、アリシアの声を知らないの。
一度でいいから、彼女の声を聞いてみたいわ。

主な役者が揃ったところで、

そろそろ開幕といたしましょう


彼らによる、魂の名演技に
乞うご期待!

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