水海道

先輩!明日から修学旅行なんですよね!

竜ケ崎

うん、そうなんだけど、ちょっと心配事がな

水海道

何か有るんですか?

竜ケ崎

ん~、水海道を1人にしとくの、大丈夫かなって

小絹

ああ、それは僕も不安なんだ

松戸

そうですね、不安は有ります

水海道

大丈夫です!私、1人でもちゃんと亀さんとハーブのお世話できますん!

松戸

えーと……

小絹

……そうか、頼りにしてるぞ

竜ケ崎

俺らが居ない間、よろしくな

水海道

はい!

竜ケ崎

……と、言うわけで、実は1人で置いてきた生物部の後輩が心配で仕方ないんだよ

まぁ、ここで心配しててもどうにもならんだろ?

帰ってから楽しい土産話聞かせられる方が、後輩も嬉しいだろうよ

竜ケ崎

ん~、それもそうだな

しかし、体育の時にいつも思うんだけどさ

竜ケ崎

どした?

なんで音楽科と美術科合わせて男子が3人しか居ないんだよ……

竜ケ崎

それな

他のクラスはもっとワイワイやってんだろうな~

こういう時は普通科が羨ましいな

竜ケ崎

だよな~

あれ?ふと思ったんだけどさ

ん?

普通科って、こういう時どんなことして盛り上がるんだ?

竜ケ崎


そういえば

竜ケ崎、お前、部活で普通科の奴とよく話してるだろ?わかんない?

竜ケ崎

う~ん、あの2人は普通科って言っても、普通科の中では浮いてる方らしいから何とも言いがたい

そうなん?

んんん……普通科の謎が深まる……

竜ケ崎

あ、あれじゃね?

ん?なに?

竜ケ崎

普通科の奴らは複数人で盛り上がること多いから、カラオケで何歌うかとかそう言う話で盛り上がるんじゃね?

あー、なるほど!

そっかー、俺らも偶にカラオケは行くけどなー

竜ケ崎はカラオケで何歌うこと多いんだ?

竜ケ崎

俺はカラオケ行かないけど、歌うのは好きだぜ?

そうなん?

意外だなー、ちょっと歌ってみれる?

竜ケ崎

俺は構わないぜ?

期待

竜ケ崎

あるひ~ぼくを~てらし~ていた♪
たいようのひか~りがきえ~た♪

おお

上手い

竜ケ崎

き~ず~だけはみせないよ~おにと♪

つよが~り~を~していた~♪

竜ケ崎

き~ず~つかないつよさなど~♪

もとめようとおもわなかった~♪

竜ケ崎

あれ?誰だ?

やばい。先生が来たのか?

はーい、誰です?

小絹

お邪魔する。
竜ケ崎、ちょっと良いか?

竜ケ崎

あれ?小絹、どしたん?

小絹

少し、ここに避難させてくれ

竜ケ崎

何が有ったんだよ

小絹

実は、部屋の奴らが猥談を始めて、それで、耐えきれなくなって……

竜ケ崎

そっかそっか。
2人とも、ちょっとこいつ保護して良い?

構わんよ?

というか、普通科はそう言う感じなのか……

さて、色々話はしたけど、なんか変化球欲しいな

あ、竜ケ崎、お前去年図書委員で朗読やったんだろ?ちょっとやってくれよ

竜ケ崎

おう。俺が持って来た小説で良い?

勿論よ

小絹

え?朗読って、あの……

竜ケ崎

あれ?小絹は朗読嫌い?

小絹

嫌いでは、ない

竜ケ崎

そっか、じゃあ始めるぞ

期待

竜ケ崎

『永久に続くルーティンワークの中、1人じゃ無かったと気付いたのは、2人ぼっちになってからで』

えっ……?

おぉ……?

小絹

…………

竜ケ崎

『この旅が終わらないことも知っていた。
この旅が絶望しか無いことも知っていた』

…………

…………

小絹

…………

竜ケ崎

『それでも最後に少しだけ、君みたいに光ってみたかった』

おわわわわわ!

竜ケ崎ストップストーーーーーップ!

竜ケ崎

うわっ、急になんだよ!

これ以上はいけない

竜ケ崎

どういう事だよ!

小絹

竜ケ崎はもう少し自覚を持った方が良い

竜ケ崎

なんの?

あ、そろそろ消灯時間だわ

小絹

そうか、お世話になったな。僕はこれで失礼する

竜ケ崎

おやすみー

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