好きなタイプ……?
お待ちしておりました~
……
……
どうしました?
そんな不審なものを見るよな目をして
鈴石さん、帰りましょうか
そうだねー、暑いし
寧ろ見てもいない!!
……まあ一応聞こうか。何をしているの? アスナちゃん
よくぞ聞いてくれました会長殿。アスナはただいま謝罪のオペレーション中でして……
お二人にどう詫びればいいのか考えた結果
まあ、いつも通りに接するのが一番かと
反省する気も持ち合わせていませんね
そりゃまあ停学処分受けていた問題児だからね
ああ……そういえばそうでした
酷いですよー、言葉と態度は無理だと諦めてはいましたが
代わりに謝罪の品は持ってきましたので!
アイス!
流石アスナさん! 気が利きますね!
でしょう? もっとアスナを褒めていいのですぞ~
佐島くん、私たち物で釣れる安い奴だと思われていたんだって
酷いもんです
乗り突っ込みならぬ乗り蔑みですか……
しかもちゃっかり自分の分まで買っちゃって
まったく、とんでもない人です
こ、これでも一応アスナは……
私、バニラもらうね
じゃあ僕はソーダもらいます
わ……溶けかけてるよ
保存状態悪いですね
これでもアスナは…………
…………
アスナは……
ごめんね、ちょっとからかっただけ
え……
待っててくれたんだね
アイスがこんなに溶けるまで、さ
そ、そうですよ……アスナは何も手伝えそうになかったんで……差し入れでも買ってこようかと
でもお二人がいい雰囲気だったんで、アスナ入り辛くて
い、いい雰囲気!?
なんのことですかねえ
待って待って? そんな雰囲気あった? あったなら私が知りたいくらいだよ
まあそれは冗談だとして、どうもアスナが入れる作業じゃなさそうだったので、終わるまでここで待たせていただきました
さあ、食べましょう
はいはい……って立ち直り早いね
流石アスナさんですねーいただきます
あ、このアイス棒の部分に言葉が書いてある系だ
懐かしいですね
んーっと、私のは……
中吉……思わぬラッキーが訪れる(かも)
おお! なかなかいいではないですか。アスナのは……
小吉……何かと叱られることが多い
いつものことなので問題ないですね!
開き直らないでください。えっと僕のは……
大吉……人から好意を向けられるかも
!?
はは、そんなことがあったら長年オタクなんてやっていませんって
いや、もしかしたら狐草子の狐ちゃんから多大なる愛を……
二次元から三次元へのベクトルは存在しない!
私だって雫ちゃんから好意を向けられたい……
むしろ結婚を迫られたい!
ここに頭のおかしい奴がいる!
それは言わないお約束です
冗談だよ、まったく……
因みに鈴石さんは……
好きな人とかいたりするんですか? 三次元に
三次元に
大事なことだからって何度も連呼するな!
えっと……そういう佐島くんはどうなのよ
さぁ、どうでしょう
!?
い、いないならわざわざこんな曖昧な表現はしないはず。え? 予想外過ぎて先が読めない
まさか、本当に好きな人がいたり……
どうだと思います?
いないに一票
わ、私もいない方にかけようかな! なんとなく
これでいたりしたら最悪じゃん
ふっ……
大正解で~す
へ!?
どうしたんです? そんな驚いた顔をして。自分でかけたくせに
い、いやその、やけにもったいぶってたから本当はちょっと怪しんでいたりもしてて
そういうミステリアスな部分があった方がいいかと
ふむふむ、分かります。今度からアスナもその路線でいきましょう
まったくもって分からないよ!
ま、まあまあ落ち着いてください
てかどうしたんですか? 急に大声出して
い、いや焦ったというか、動揺して損したというか
何に動揺したんです……?
べ、別に……なんでもないし
ツンデレキャラか!!
いけない、セルフ乗り突っ込みをしてしまった
で、生徒会長殿は結局どうなんです?
え、えっと……
み、ミステリアスの方がそそるじゃん!
パクらないでください。まあ興味ないですけど
そ、それはそれでショックだな!
何故です?
……深い意味はない
ではでは、佐島殿の好きなタイプはどんな方でしょう
タイプとか別にないですよ
元気系妹でしょ
酷いですね。僕は鈴石さんと違ってちゃんと二次元と三次元の区別がついているんで
私だってついてるし!
そうなんですか!?
真面目に驚かないでくれるかな……
まあ、僕は騒がしい人でなければ大丈夫です
いるじゃないですかー、教室の隅でぺちゃくちゃうるさい女子たちって
せっかく人が彼女と戯れているって時に
に、『二次元』の彼女ね!
そうですけど
とりあえずうるさい女子にはカテゴライズされていないはず
鈴石先輩はどうなんです?
アスナも興味あります!
そういえばアスナちゃんについて聞いていないんだけど!
アスナのタイプは一択です
ほぅ……?
筋肉隆々で男気溢れる青春男子! 喧嘩勝りで腕っぷしはアスナよりも強い……! そんな人に憧れますかね
アスナちゃんより喧嘩が強い……
絶対いませんね
今のところはいませんが……いつかは発見します
で、会長殿は……
わ、私急用思い出した!
じゃ、じゃあ先帰るね!!
逃げた……
これは……なんかありますね
気になりますか? 佐島殿
そりゃあ……
なかなかおもしろそうな『ネタ』になりそうじゃないですかぁ
ふむ……
ご自分のことだとは気づかない……おもしろい展開になってきましたぞ
好きなタイプ……?
タイプってなんだろう……
佐島くんみたいな人がタイプ……なんて言えないし
また追及されたらどうしよう
そもそもアスナちゃんは知っているくせに
多分、タイプだから好きとかそういうのじゃないんだよな
佐島くんだから好き
ってなんでこんな恥ずかしいこと考えなきゃいけないんだろうね!?
タイプ……どこが好きなのか……ああ、難しいなぁ
鈴石さんの悩みは止まらない