自分のベッドに寝転びながら、みせりは携帯を操作する。連絡先は先日出会ったばかりの警察官だ。警察官とはいえ、中々に話しやすそうだった上、顔もいい。みせりにとって相手の顔形の良さは然程問題ではないが、それでもやはり嬉しいものは嬉しい。
この前もメッセージにすぐ返してくれたっけな、と思いながら、みせりはメッセージを飛ばす。
あ、そうだ! 刑事さん、今暇かなぁ?
自分のベッドに寝転びながら、みせりは携帯を操作する。連絡先は先日出会ったばかりの警察官だ。警察官とはいえ、中々に話しやすそうだった上、顔もいい。みせりにとって相手の顔形の良さは然程問題ではないが、それでもやはり嬉しいものは嬉しい。
この前もメッセージにすぐ返してくれたっけな、と思いながら、みせりはメッセージを飛ばす。
『お元気ですか?』、っと
スタンプも添え、中々に女子アピールもしたメッセージ。以前の事を考えれば、数分もせずに返事してくれるはず――。みせりはそう思いながら、ベッドの上で携帯を眺める。一分、二分、三分。五分経っても返事が無いので、みせりはさらに言葉を続けた。
『もしもーし(・ω・´*)』……ちょっとしつこいかな? でも、きっと大丈夫だよね!
そのメッセージを送った後、ようやく既読が付く。しかし、既読は付いても反応が無い。おかしいな、と思ったみせりはそのままその警察官へと電話を掛ける。
出てくれるかなぁ……刑事さん……
……もしもし?
あっ、刑事さん! ごめんなさい、急に電話して
…………
……刑事さん?
あ、ああ、ごめん。急に、どうかした?
いえ、ちょっとお話したくて
そっか。俺でよければ、付き合うよ。ただ、ちょっと忙しいから、ほんの少しだけね
えへへー、ありがとうございます!
どことなく、以前電話したのよりも声が低いような気がする。みせりの頭の片隅ではそんなことが浮かんでいたが、それは大した問題ではない。とりあえずは、あの時の警察官の人が電話に出てくれた上、話が出来るということが大事な事である。
実は、最近実里ちゃんが冷たいんですよー。私達、友達なのにー
うーん、照れ隠しって奴じゃないのかな? それか、みせりちゃんの話しかけるタイミングが悪いとか
うーん、本読んでるから暇なのかなぁと思ったんだけど……照れ隠しかな
俺は二人の事、あんまり知らないからよく分かんないけど……そうだ、実里ちゃんってみせりちゃんから見てどんな子?
とっても頭のいい友達ですよ! いっつもテストでいい点取ってるし、自慢の友達です!
すっごく仲がいいんだね
はいっ!
――っとと、ごめん。ちょっと仕事に戻らなくちゃダメみたいだ。また今度、続きを聞かせてもらってもいいかな?
勿論です! 私こそ、お話してくれてありがとうございました!
「それじゃあ、また」と優しそうな声で終わった通話に満足したみせりは、携帯電話をぎゅっと抱きしめて微笑む。
えっへへー……優しい警察の人と仲良くなっちゃった!
はぁ……
成程、と音耶は一人頷く。通話を終えたばかりの恵司の携帯を仕舞いながら、ハロルドの言が真実であったことを音耶はしっかりと理解した。
もしハロルドからみせりと実里の関係を聞いていなければ何の違和感も持たないが、予め真実を知った状態で彼女の話を聞けば異常さが分かる。
軽く疲労しながら、音耶は再び元々の目的を果たしに近くのコンビニに向かった。