ここは一体……。
ココ ハ ココロ ノ セカイ……。
キミ ノ ココロ ノ ナカ ダヨ。
……クスッ。
あははは……
ドウシタノ?
レムの頭にお花いっぱい咲いてる……
アア コレ……。
レムは頭をいじりながら
キミノ ココロガ ワラウト
ボクニ オハナガ サク。
と教えてくれた。
へー……。
ダカラ ボクハ……
レムは私の方を見て言った。
ボクヲ オハナデ
イッパイ二 シテホシイ。
そして、申し訳無さそうに
……イイカナ?
と付け足した。
あたしは少し戸惑いながらも
お……おう。
と答えた。
レムは嬉しそうに
私に向かって小指を差し出してきた。
ヤクソク……
レム、指切りって知ってるのかな?
わかった、約束ね。
私が小指を近づけると
改めてその大きさの違いに気づき、
思わず笑いがこみ上げる。
ふふっ、おっきな手……。
ア… ゴメン…
戸惑うレムの小指に私の小指を当てる。
♪指きりげんまん
♪ウソツイタラ
♪焼き立て餃子のーます
♪ユビキッタ!
うふふふ……
アハハハハハ
二人だけの空間に笑い声が木霊する。
陽の光と小鳥のさえずりで目が覚めると、
あたしはベッドの上に居た。
ふと気になって、
窓の外を見下ろしてみる。
そこには破壊の後はなく
いつも通りの平和な光景が広がっていた。
昨日の夜の事は夢だったのかな?
じっと小指を見つめる。
いってきまーす。
んー。
昨日の朝の憂鬱さとは打って変わって、
家を出るあたしの心は晴れやかだった。
まるで、今までとは違う
新しい朝が始まったみたい。
あら、この仔の家、
ちょっと焦げてる……。
タバコのポイ捨てね……。
危ないわぁ……。
くぅーん
……
夢だったのかもしれないし、
夢じゃなかったのかもしれない。
でも、重要なのはそこじゃない。
あたしは約束したんだ。
おはよー
あ、おはよー
そりゃあ、これまでずっと
人との関わりを避けていたんだから
急に変わるのはムリかもしれない。
けど……。
おはよー
おはよー、みっちゃん
だからと言って、
現実から逃げ出さず
ゆっくりでもいいから、
いろいろ受けれいてみよう。
りっちゃん、昨日のドラマ見た?
あー……あたし、あれ、
見そこねちゃった……。
私、録画してあるから見に来る?
え!いいの!行く行くー!!
……
レムと約束したんだし。
……りっちゃん。
ん?何?
……
……ううん。なんでもない。
少しずつ、
少しずつ、
咲かせ始めてみよう。
……。みっちゃん……。
なあに?
……ありがとう。
心の華を。
♪〜♪〜
心 の 華
ー 第一部 ー
完