あたし

ここは一体……。

レム

ココ ハ ココロ ノ セカイ……。
キミ ノ ココロ ノ ナカ ダヨ。

あたし

……クスッ。

あたし

あははは……

レム

ドウシタノ?

あたし

レムの頭にお花いっぱい咲いてる……

レム

アア コレ……。




レムは頭をいじりながら



レム

キミノ ココロガ ワラウト
ボクニ オハナガ サク。



と教えてくれた。




あたし

へー……。

レム

ダカラ ボクハ……



レムは私の方を見て言った。

レム

ボクヲ オハナデ
イッパイ二 シテホシイ。



そして、申し訳無さそうに

レム

……イイカナ?



と付け足した。








あたしは少し戸惑いながらも

あたし

お……おう。




と答えた。









レムは嬉しそうに


私に向かって小指を差し出してきた。




レム

ヤクソク……



レム、指切りって知ってるのかな?

あたし

わかった、約束ね。



私が小指を近づけると


改めてその大きさの違いに気づき、


思わず笑いがこみ上げる。

あたし

ふふっ、おっきな手……。

レム

ア… ゴメン…




戸惑うレムの小指に私の小指を当てる。

あたし

♪指きりげんまん

レム

♪ウソツイタラ

あたし

♪焼き立て餃子のーます

レム

♪ユビキッタ!

あたし

うふふふ……

レム

アハハハハハ












二人だけの空間に笑い声が木霊する。







































陽の光と小鳥のさえずりで目が覚めると、



あたしはベッドの上に居た。













ふと気になって、



窓の外を見下ろしてみる。







そこには破壊の後はなく



いつも通りの平和な光景が広がっていた。















昨日の夜の事は夢だったのかな?





じっと小指を見つめる。

























あたし

いってきまーす。

おねえちゃん

んー。









昨日の朝の憂鬱さとは打って変わって、





家を出るあたしの心は晴れやかだった。








まるで、今までとは違う




新しい朝が始まったみたい。

















あら、この仔の家、
ちょっと焦げてる……。

タバコのポイ捨てね……。
危ないわぁ……。

くぅーん

あたし

……


















夢だったのかもしれないし、






夢じゃなかったのかもしれない。



















でも、重要なのはそこじゃない。











あたしは約束したんだ。







おはよー

あたし

あ、おはよー





そりゃあ、これまでずっと





人との関わりを避けていたんだから





急に変わるのはムリかもしれない。




けど……。




小野 美知香

おはよー

佐藤 理津子

おはよー、みっちゃん









だからと言って、




現実から逃げ出さず




ゆっくりでもいいから、




いろいろ受けれいてみよう。






小野 美知香

りっちゃん、昨日のドラマ見た?

佐藤 理津子

あー……あたし、あれ、
見そこねちゃった……。

小野 美知香

私、録画してあるから見に来る?

あたし

え!いいの!行く行くー!!

小野 美知香

……







レムと約束したんだし。





小野 美知香

……りっちゃん。

佐藤 理津子

ん?何?

小野 美知香

……

小野 美知香

……ううん。なんでもない。





少しずつ、




少しずつ、




咲かせ始めてみよう。



佐藤 理津子

……。みっちゃん……。

小野 美知香

なあに?

佐藤 理津子

……ありがとう。













心の華を。






























レム

♪〜♪〜















心 の 華


ー 第一部 ー




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