第4話
第4話
それではねうさん、セニッタさん、先手番からどうぞ!
いっくよ~!
2六歩!
ニーロクフ?
指し手を記録する時の書き方と読み方です。よく知られてましたね!
2けたの数字は筋、段の順番に位置を記録しています。その後に駒の種類、歩は歩兵さんですね
筋と段……って?
縦の列を筋と言い、横の行を段といいます。王さまは1段と9段にそれぞれ居ますね
それじゃあ、私のしってる「相掛かり」ってのをやろ!
任せたよ、ねう!
相掛かりは先手と後手が同じように歩を進める形……私も受けてたちましょうか
△8四歩、▲2五歩、△8五歩
(▲は先手の指し手、△は後手の指し手を表します)
ここからどうするの?
金将さんを前にずらした後、もっかい歩兵さんをすすめるはず!
てきの歩兵さんの前にだしたら、取られちゃうよ……?
だいじょうぶっ!後ろで飛車さんが待ってるからとり返せるよ
(さて、私も同じように飛車さんを使って相掛かりにしましょう)
よぉ~し、満をじしての銀将さんだ!
「棒銀」っていうんだっけ?
はいっ!飛車さんの先をすぐに銀将さんで突撃する戦い方があります
ごーごー!
本当はしっかり守らないといけませんが、ここはもうお任せしましょう
ここで持ち駒(もちごま)の歩兵さんを2四のところへ、えい!
飛車さんの他に、銀将さんが後ろについてるね!
うん!2人が待ちぶせしてるから、どんどん攻めていけるね
すごい、と金さんだ!
角を取られちゃったらいけませんね……こうしますっ!
あっ、銀将さん取られちゃった!
でもと金さんはもっと行けるよ!
そうだね!ごぉごぉ!!
……結局とられちゃったけど、金と銀、2枚てにはいった!
(えっと、これから……良い勝負まで持ち込めるかな?)
まだ角行さんを使ってなかったね。道を開けてから、てきの香車さんへどーん!
お馬さんだ!ナナメ以外にもタテとヨコに動ける、すごい駒だね
よーし、じゃあ桂馬さんも取っちゃえ!
ふふっ、そろそろ守った方が良いですよ?
あっ、お姉さんも馬をつくっちゃった!
だ、だいじょうぶ、まだ行けるよ!
そうだね!こっちは龍をつくっちゃえ!
お姉さんっ、あとちょっとで王さまをとっちゃうよ!
それはどうでしょうか?私が先に王手(おうて)をかけちゃいます!
わっ、あぶないよねう!
あ…気がついたらお姉さんの駒、こんなにちかづいてたんだ……
い…いけません、これだと私が勝ってしまいます……
さっきの王手は銀将さんでとったけど、これはどうするの?
み……みて!こっちの王さま、もう逃げ場がないよ
ほんとうだ……もしかしてこれが「詰み」?
え……えっと……そうなんです、王さまがこうやって詰んじゃうと負けになるのです
へ~!やっぱりお姉さんってすごく強いね!
うんっ!とちゅうで、すぐに勝っちゃうとおもったら逆転するもんね!
(許していただけるなんて…やっぱりすごくやさしい子です!)
あ、ありがとうございますっ
よぉーし、こうなったらお姉さんに勝てるまで特訓だよ、セニー!
またお相手してね、お姉さんっ!
はいっ!喜んで!!
第5話へつづく
(謝辞)駒画像は駒職人さまのものを使用させて頂いております