第4話

明菜

それではねうさん、セニッタさん、先手番からどうぞ!

ねう

いっくよ~!

ねう

2六歩!

セニッタ

ニーロクフ?

明菜

指し手を記録する時の書き方と読み方です。よく知られてましたね!

明菜

2けたの数字は筋、段の順番に位置を記録しています。その後に駒の種類、歩は歩兵さんですね

セニッタ

筋と段……って?

明菜

縦の列を筋と言い、横の行を段といいます。王さまは1段と9段にそれぞれ居ますね

ねう

それじゃあ、私のしってる「相掛かり」ってのをやろ!

セニッタ

任せたよ、ねう!

明菜

相掛かりは先手と後手が同じように歩を進める形……私も受けてたちましょうか

△8四歩、▲2五歩、△8五歩
(▲は先手の指し手、△は後手の指し手を表します)

セニッタ

ここからどうするの?

ねう

金将さんを前にずらした後、もっかい歩兵さんをすすめるはず!

セニッタ

てきの歩兵さんの前にだしたら、取られちゃうよ……?

ねう

だいじょうぶっ!後ろで飛車さんが待ってるからとり返せるよ

明菜

(さて、私も同じように飛車さんを使って相掛かりにしましょう)

ねう

よぉ~し、満をじしての銀将さんだ!

セニッタ

「棒銀」っていうんだっけ?

明菜

はいっ!飛車さんの先をすぐに銀将さんで突撃する戦い方があります

セニッタ

ごーごー!

明菜

本当はしっかり守らないといけませんが、ここはもうお任せしましょう

ねう

ここで持ち駒(もちごま)の歩兵さんを2四のところへ、えい!

セニッタ

飛車さんの他に、銀将さんが後ろについてるね!

ねう

うん!2人が待ちぶせしてるから、どんどん攻めていけるね

セニッタ

すごい、と金さんだ!

明菜

角を取られちゃったらいけませんね……こうしますっ!

ねう

あっ、銀将さん取られちゃった!

セニッタ

でもと金さんはもっと行けるよ!

ねう

そうだね!ごぉごぉ!!

セニッタ

……結局とられちゃったけど、金と銀、2枚てにはいった!

明菜

(えっと、これから……良い勝負まで持ち込めるかな?)

ねう

まだ角行さんを使ってなかったね。道を開けてから、てきの香車さんへどーん!

セニッタ

お馬さんだ!ナナメ以外にもタテとヨコに動ける、すごい駒だね

ねう

よーし、じゃあ桂馬さんも取っちゃえ!

明菜

ふふっ、そろそろ守った方が良いですよ?

セニッタ

あっ、お姉さんも馬をつくっちゃった!

ねう

だ、だいじょうぶ、まだ行けるよ!

セニッタ

そうだね!こっちは龍をつくっちゃえ!

ねう

お姉さんっ、あとちょっとで王さまをとっちゃうよ!

明菜

それはどうでしょうか?私が先に王手(おうて)をかけちゃいます!

セニッタ

わっ、あぶないよねう!

ねう

あ…気がついたらお姉さんの駒、こんなにちかづいてたんだ……

明菜

い…いけません、これだと私が勝ってしまいます……

セニッタ

さっきの王手は銀将さんでとったけど、これはどうするの?

ねう

み……みて!こっちの王さま、もう逃げ場がないよ

セニッタ

ほんとうだ……もしかしてこれが「詰み」?

明菜

え……えっと……そうなんです、王さまがこうやって詰んじゃうと負けになるのです

セニッタ

へ~!やっぱりお姉さんってすごく強いね!

ねう

うんっ!とちゅうで、すぐに勝っちゃうとおもったら逆転するもんね!

明菜

(許していただけるなんて…やっぱりすごくやさしい子です!)
あ、ありがとうございますっ

ねう

よぉーし、こうなったらお姉さんに勝てるまで特訓だよ、セニー!

セニッタ

またお相手してね、お姉さんっ!

明菜

はいっ!喜んで!!

第5話へつづく

(謝辞)駒画像は駒職人さまのものを使用させて頂いております

第4話:将棋編③ 『棒銀を楽しもう』

facebook twitter
pagetop