イサナ

どうだ見ろ、人間の足を生やしてみたぞ! これで堂々とヒトの世界に遊びにいけるというものよ♪

海母神イサナが裸足で海底神殿の流水を楽しげに蹴り上げている。

カムイ

もう36万…いや1万4千回くらい言ったと思いますが、貴女が世界を見守る役目を怠れば此の世は大混乱を起こしますよ

撥ねた飛沫は海龍神カムイに触れることなく弾かれた。

イサナ

ほほぉ、世界がヤバイとな? 大混乱といえば、かつて秩序を正す粛清を名目に大海をイキに暴れまわってたリヴァイアサンとかいうヤツのことを思い出すのぉ~?

カムイ

………昔の話です

表情こそまったく変わらないが、本来ならけっしてかかるはずもない水滴がカムイの頬にぴしゃりとぶつかった。

イサナ

くふふ、やはりこやつめをからかうのはおもしろいわ

無言で顔を拭うカムイを眺めつつ、イサナは内心ほくそ笑むのだった。

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