シベリアンハスキー、という犬がいるらしいわね。
品種として存在しますね。
デーミック、貴方の顔がそれににているという話を聖女から聞いたのだけれど。
ふぅ、審美眼の無い人には困ったものです。
私とシベリアンハスキーでは大きな違いがありますよ。
例えば?
まずシベリアンハスキーと私の顔の毛並みの配色には相似点がありますがあくまで似ているだけです。
シベリアンハスキーには丸い眉のような天があったり、目の周りに隈のような模様があったり。
そもそも眉間から口にかけての毛並みの色違いが存在しません。
ふーん。こだわるのね。
獣の属性を持つものとしてはこだわりたいところですので。
そういうものなの?魔族なのに?
魔族でもです。
むしろ自分の原型となった生き物には他者よりも多くの関心を払うのは当然のことではないでしょうか。
私は猿の違いなんて気にしないけれど……。
お嬢様のいう猿は魔界のサルでうほうほ吠えるあれでございますね。
そう。あれ。
あまり人間の原型にはみえないわね。
あれはまた品種が違いますので……。
とりあえず心の片隅にでもデーミック≠シベリアンハスキーとお留め置きください。
はぁい。