ねえデーミック。
はい、なんでしょうお嬢様。
世界には算数というものがあると聞いたわ。
なんで絵本や物語はくれるのに算数は教えてくれないの?
それはお嬢様が自活できないようにするためですよ。
じか……なに?
端的に申し上げさせていただきますと、いつまでも私の元にお嬢様が滞在してくださるようにです。
算数を学ぶとこの館を出たくなるの?
万が一、ですが。
そう。
でもデーミック、それは無意味よ。
そうでしょうか?
私がこの館を出る時にはあなたも一緒だから。
算数は貴方に任せるわ。
デーミック。
くっははは、お嬢様はそういうお方でございました。
貴方に育てられたからね。
頼りにしているのよ。
光栄にございます。お嬢様。