……昔から、通知表の担任所見欄には
同じことばかり書かれていた。


深くものを考えず、
その場の勢いで
行動する傾向がある。

そして人の欠点というのは
そう簡単には治らないもので、
僕はまた同じ失敗を繰り返したのだった。

あんたのどんな願いも、1つだけ叶えてあげる

じゃあ、あの子と結婚したい!


今にして思えば、
もっと効果的な願いの仕方が
あったはずだった。それは、

願いの数を無限にしろ

でもよかったし、

不老不死にしろ


でもいいはずだった。

だけど僕には
そのたった1つの願い以上に
望むことなんて考えられなかったし、

彼女と結ばれることの出来ない人生を
1000年過ごしても価値はないのだった。

単純な願いだけど、
間違いではなかったと思う。
僕の犯した失敗というのは、
また別のことだ。

彼女の姿やしぐさ、
言葉や表情を思い出すたびに
僕は幸福で優しい気持ちになれる。

でも彼女と初めて出会った日のことを回想する時
気色悪い顔と感触も同時に蘇るので、
僕は得も言われぬ複雑な表情をするのである。






















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