はよー。

おはよー。もーまた髪ボサボサ!朝はんの時にコート着ない!

い~だろぉ。どうせ食ったら切るんだし。
ちょっとだけちょっとだけ。

兄貴はちょっと適当すぎ。
もっとしっかりしてよ。

ま、いいじゃんか。それより今日入学式だろお前。

そうだよ!

あー、年上の俺が今更こんなことを言うのは心苦しいんだが。

何ー?

朝飯、前の日の夜に炊飯器セットしておくのも俺がやるし、オカズだって今みたいにちゃんとしたのじゃなくて買い置きの納豆パックやら味珠とかで済ませて……。

そんなの気にしなくていいの!

え、あ、はい。

学校一個上がってもどうせ起きる時間なんてそう変わらないし。
兄弟二人で家計を支えてる兄貴の朝飯くらいちゃんと作らせてよ。

……わかった。お前に任せるよ。
それより話してて大丈夫か?入学式。

あ、もう行かなきゃ!とにかく、ちゃんと食べること!
じゃあいってきまーす!

妹が居間を小走りで出て行く。
残された今には手を付けかけたスクランブルエッグにご飯とソーセージ、適当な千切りサラダを見てつぶやく。

今日あいつは新しい生活が始まるのに。
変えないでいてくれることもあるんだな……。
まったく、可愛い妹だよ。

ひとりごちた後、朝食を掻き込む。
変わるもの、変わらないもの、いろいろあるがひとまずは変わらず仕事に出かけることにした兄、だが一言。

でも彼氏には採点きつくすっからな。

シスコンであった。

お兄ちゃんは心配性

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