お嬢様。またですか。
ええ、またよデーミック。
どうも疫病公。お邪魔しておりますわ。
聖女殿がわざわざ魔界まで起こしになって、またお嬢様への勧誘ですか。
ええ、彼女の力は慈悲を持って民草のためにふるわれるべきだと思いますので。
デーミック、帰ってもらって。
神の愛とか、私興味ないのにこの人延々とそういう退屈な話をするのよ。
承知しました。さ、聖女殿。お引き取りになって地上にお戻りください。
貴女にとっては魔界は居心地が悪いでしょう。
そんなことはありませんよ。
魔界も天に座すお方がお作りになられた世界。
なんの苦しいことがありましょうか。
ガチガチに魔界を滅ぼすといいださないだけ理性的で結構ですが。
自分の下請けにするためによその人材を引き抜こうとするのは感心しませんよ。
あらあら、そんなの上も下もいつもやっていることじゃない。
いつものゲームですわ。
ふふ。
そういうゲームに興味はないの。
私は案外、位階の福音に頭痛を覚えてたまにこの犬に血をあげ、ぐうたらお菓子を頂く生活が気に入っているのよ。
放っておいて。
……すこうし、教育を間違えたのではなくて疫病公。
ははは、これが悪魔流でございますゆえ。
さ、お引取りを。
はぁ、では今日は引取らさせていただきます。
ではまたいつの日にか、ごきげんよう。