語主

おい

シエルン

……

語主

おい

シエルン

……

語主

おい聞いてんのか返事くらいしろ!

シエルン

うっ……すまっ……ない
のど……つまっ……

語主

あ、ごめん。俺が悪かったわ。
取り敢えず酒ばっか飲んでないで水飲んで落ち着け

シエルン

……

語主

……

シエルン

……落ち着いた

語主

おう。
いつも思うんだけどさ、なんでお前わざわざ日本まで来てぐだまくわけ?

シエルン

地元だと弟が乗り込んできそうで

語主

お前の所の弟のブラコンぶりも相変わらずだな?

シエルン

今までにエジプトや北欧やインドに駆け込んだ事もあるのだが、その様な近場ではあいつは撒けなかった

語主

プリンセペルこわい

シエルン

別に、あいつを頼っても良いのだろうが、兄として弟に甘えるのは気が引ける

語主

うん。それで東洋の神にぐだまくのは気が引けないのがすごいよ

シエルン

相手が誰でも良いわけでは無いぞ。私は語主を信頼している

語主

えー、俺は八百万神のなかでも木っ端だから気兼ねしなくて良いとか?

シエルン

私より背が低いからだ

語主

殴るぞ?

シエルン

それは冗談だとしても、語主は人間に恋をして、一度も想いが実った事が無い私を笑う事はしないからな

語主

あー、その点についてはそっちの主神は厳しいって聞くわ

シエルン

この話を出すとプリンセペルもいい顔はしない

語主

主神の教えを守ってるだけなのか単純にブラコンが要因なのかはわかんないけど、想像に難くないわ

シエルン

だから、こういう時は海を隔てた日本が恋しくなる

語主

……そこまで頼られちゃ、こっちも無碍には出来ないからなぁ

シエルン

……

語主

でもさ、シエルンは相手にこう、思いを告げるとかそう言う事してるのか?

シエルン

いや、見付けた時には既に相手が居たり、そもそも恋愛という概念が無かったりで一度も言い出せた事は無い

語主

お前も大概難儀だな。
わかった。程々に飲んで沢山泣いて、一晩泊まってスッキリしてから帰れよ

シエルン

……お気遣い感謝する

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