- セ・カンド
〜
ポルト街道 -
1、2、1、2
もふ、もふ、もふ、もふ
ファイトー!
もふー!
あと少しー!
もふ〜!
小数だけど賑やかな勇者様のパーティーは
港町ポルトに向かって着々と走り進みます。
【茨の道】
- 首都アルザレア
〜
港町ズール街道 -
これは…道ですか?
あぁ、そうだぜ。俺はよく通るぞ。
我もポメラほどではないが、通るぞ。
ズールへと向けて
舗装されていない獣道を行く
シーラさんとその御一行。
目の前の道は
背の高い草や蔓、茨で
塞がれています。
この森、デフォレの森の草木は生命力が強くてな。伐採しても数時間後にはこのように道を塞いでしまうのだ。
しかも、たちの悪いことに復元後は伐採前の倍の密度で塞いでしまうのだ。
さてシーラ、ここで実践だ。
はい。
この道を行きたい。だが、今後を考えると伐採して進むのは好ましくない。そこで我ならこうする。
ウィンディー・ロード(Lv68)!
呪文を唱える、ソルフェージュさん。
獣道の雑草を押しのけるように
風が吹きます。
と、この様に我なら風の力で草木を押しのけて進む。
だがしかし、伐採ほどではないがこの方法も自然に対して少なからずストレスを与えている。正解とは言い切れんだろう。
いささか浮かない顔の
ソルフェージュさん。
そこでシーラよ、問題だ。
お主ならどうやってこの獣道を進む?
うーん…
腕を組み考えこむシーラさん。
俺なら構わずバッサバッサと伐採して、毎回負荷が上がるトレーニングにするけどな!
斧を振り回して、
伐採の真似をするドヤ顔のポメラさん。
一方、呆れ顔のソルフェージュさんは
冷たく言い放ちます。
他人のことを考えないポメラの案は論外だぞ?
うぐっ…
そうですね…。
満を持してシーラさんが口を開きました。
…私なら、こうします。
風のささやき、
小鳥のさえずり、
そびえる樹木、
差し込む木漏れ日…
森の全ての営みを支え、
従えし森の長よ、
我に従いてその力貸し給え。
いでよ、トレント・ロード
トレント・ロード
お呼びでしょうか?
お願い、ズールまでの道を開けて。
かしこまりました。
トレント・ロードさんは、
のしり、のしりと
その巨体を揺らしながら
シーラさん達の前に
背を向けて立ちます。
そして…
『ごおぉおおおをおあお』
という叫び声とも雄叫びとも暴風音とも
取れる音を発しました。
するとどうでしょう。
獣道を塞がんとする、
背の高い草、蔓草、茨、枝が
生き物用にざわざわと動き出し
道を開けるではありませんか。
ありがとう。助かったわ。
御用があれば、またなんなりとお申し付けください。
シーラはレベルがあがった!
シーラはレベルがあがった!
シーラはレベルがあがった!
シーラはレベルがあがった!
シーラはレベルがあがった!
シーラはレベルがあがった!
うむ。流石だ。
シーラの力は正しく使えば
最も自然に優しい力だ。
一方で、喚び出す対象とその詠唱文言をすべて把握すれば、全ての自然を従わすことも可能な危険なものでもある。
普通なら、その前に魔力が先に尽きるのだがな…。シーラ、お主の魔力には底が見えん。
えへへへ…
へー、末恐ろしいな…。
あまり恐ろしく思っていないだろ、ポメラ?
まぁ、俺は魔力には腕力で対抗するし、何よりシーラだからな。
信頼することは実に良いことだ。
だが、物事の一面しか見ないのは、時には良い時もあるが悪い結果を生み出す可能性がある。
もう少し、物事を深く考えることを勧めるぞ、ポメラ。
そんなもんかね?
…?
さて、この通りやすくなった獣道を、獣が来る前にさっさと通ってしまおうかの。
オッケー!
はい。
意気揚々と獣道を進む3人。
…今回、私全く役立たずですね…。
…自己嫌悪…。
その後をトボトボと歩く1匹。
シーラさん達の旅はまだ始まったばかりです。
つづく
【勇者勇の装備】
レベル :9
めいせい :217
ぶき :新品の短剣
よろい :鋼鉄のよろい
かぶと :いつもの額当て
たて :なし
どうぐ :ファンガスの切り身(黄)
野ばらのペンダント
焼豚×2
焼きとり×3
なかま :もふもふ
とくぎ :ファイアブレス
じょうたい:ツギノへ向かうためポルトへ
【シーラの装備】
レベル :7
めいせい :100
ぶき :いつもの本
よろい :いつもの服
かぶと :いつもの飾り
たて :なし
どうぐ :やくそう×99
イーサ薬×9
なかま :戦士ポメラ
大魔導ソルフェージュ
コボルト
とくぎ :野良しょうかん
じょうたい:パーティーリーダー