元2年3組 教室

先生

ん?なんだ夢?

もしかしたら…とてつもない低確率にかけてみて質問があるんだけどさ

うむ。なんだね?

その名前の読み方は…その、らんでぶー?でいいわけ?

ランデブー!ランデブー!ブブー!

良いお名前ですね

だろ?ちなみに読み方は合ってるぞ?っていうかそれ以外にどうやって読むんだよ。漢字じゃないんだからな~

…いや、さ、、あまりにもドヤ顔してたからさ…本当にそんなダサい読み方であってるか疑問だったんだよ

ダサいって…お前失礼だな?あ、まぁ、まだ子供だからな、理解出来なくても仕方ない、か

いや年齢は関係ないでしょ。っていうか、誰が聞いたってダサいでしょ。そんな売れない芸人みたいな名前

そう?私は良い名前だと思うけど

おー、えーとお前は…あ、綾乃女春希…か。お前は見る目あるなー。将来大物になるぞー

くーも良い名前だなって思う

白熊…和もそう思うか!そうだろ。そうだろ。良い名前だよな~。先生も気に入ってるんだ

あのさ…ここにいる奴等は参考にはならないと思うよ

ソノちんひっどーい

この名前の良さが分らないなんて…信じられないわね

真顔で言わんでいい!怖いわ!!

ふふふ。あの先生?

ん?なんだ?えーと比佐成…優人っていうのか!

はい。そうです

カッコいい名前だな~。自分で決めたのか?

そうです。ありがとうございます、あと先生の事は土方先生って呼んでいいですか?

うーん?まぁ、別に構わないぞ。なんならランデブー先生でもいいけどな

ふふふ。そうですね、考えておきます。でも個人的に土方先生の方が響きが好きです

そうか?うーん。ま、いいだろ

で、あと残りは…赤蘭、か…うん。よろしくな~

…よろしくお願いします

………しゃべった!?って、あれ?名前

おーよろしくな~。さ~て、これで全員の顔と名前は一致したな。まぁ、てなわけでよろしく頼む。俺がこのクラスの担任になった土方ランデブーだ

ランデブー先生よろしくー

よろしくお願いします

…よろー

ふふふ。お願いします

………。

よし!じゃ、授業を始める前に、まずお前等に言っておく事がある

…え?何?何ー?

流れ的にどうせ下らない事だろ…

いいか。俺は『嘘』が嫌いなんだ。嘘は人を傷つける。勿論世の中には良い嘘もある、が…殆どの嘘はろくな結果にならない。だから俺は嘘が嫌いだ!いいか?お前等!これからの長い人生嘘は付くな!極力でもいい、正直に生きろ!!そうすれば人生いい方向に転がっていくってもんだ?分ったな!!

…あー、なんか言ってる事に対しては同意出来るわ

おー、そうだろ。夢!気が合うな

でも、自分の考え押し付けるって私嫌いなんだよね~。別にいちいち他人に言う事でもないと思うしさ~。自分のルールを押し付けられても困るっていうか

別に押し付けるわけじゃない、ただそうした方が人生いい方向に転がっていくって伝えたかっただけだ

ふーん。そんなもんなの?

そうだ。正直に生きるっていうのは大切な事だぞ?難しい事ではるけどな

じゃあ聞くけどさ、先生は正直に生きてるわけ?

ん?俺か?俺は勿論だ。当然正直に生きてるぞ?嘘はつかん!

へー…じゃあさ、ちょっと質問があるんだけどいいかな?

ん?なんだ、夢?

このクラスの人数が少ないのは何で?校長先生は誤魔化してたけどさ?本当は何なの?やっぱ、ここにいる全員が問題児とかそんなオチ?

貴方みたいな馬鹿そうな奴と一緒にしないでほしいわね?

…は?

聞こえなかった?耳も馬鹿なわけ?だいたいさっきからうるさいのよ。貴方?静かにしてくれないかしら?

ソノ。駄目よ

分ってるよ。アヤノ…もう昔の私じゃないんだ

あら?分ってくれたのかしら?あー良かった。私も我慢の限界だったから。やっと静かになったわ、あ、あと先生?

ん?おう。なんだ?赤蘭

さっきの質問には私も興味があります。遮ってすいません。どうぞ、返答の方よろしくお願いします

私には謝罪なしかよ

ん~。そうだな。おそらく校長先生とはお前達各自、このクラスに来る前に全員話しがあったとは思うが、そこで特別って言葉を使われたと思うんだ…

言われたー

確かに。そう仰ってましたね

…言ってたな

聞きました

はい

うん。で、まぁ、その言葉と意味する所はだな…ここにいるお前達全員が名前という点において問題があるわけだ。個人差はあるけどな

問題?それはおかしいですね。私はしっかり自分で名前を決めたのに・・・何故でしょう?

優人か。お前の場合はご両親の相談を受けて、学校が検討した結果だ。それに此処にいる理由はお前が一番分かっているんじゃないのか?

?分らないから聞いたのに…先生っておかしな人ですね

…まぁ、いい。質問についてはそういう事だ。校長先生は優しい方だから、そんな言い方をしたのかもしれないが俺は嘘が嫌いな人間だ。余程の事で無い限りハッキリ言う様にしている

つまり、この学校の問題児を集めたってわけでしょ?

まぁ・・・な。ただ問題児っていう表現は個人的にあまり好きではない…ただ、少しだけ道が外れただけだ。なーに、お前らはみんな若すぎるくらい若いんだ。まだいくらでもやり直せるさ。気にすんな

?私に直す所なんてないと思いますけど

赤蘭。お前に限らず、このクラスの人間はまず自分を見つめ直す所から始めないといけないな…よし!今日の授業の方針が決まった。いいか?お前達。今日は

あ、私帰りまーす

ソノ…

ん?なんだ?夢、急にどうし…

うっせーんだよっ!さっきから気安く名前呼んでんじゃねーよ!!!私は疎内だ!!!夢なんて名前関係ねぇーんだよ!!!!!!糞教師っ!!!!!!!

私の声は多分、教室中に鳴り響いた

うるさいわね。本当に…耳がどうにかなりそうになったわよ。この馬鹿女。頭おかしいんじゃないの?

あ?おい。赤毛

何?白髪馬鹿

私は赤蘭に飛び掛かかろうとした
すると、その時

やめなさい!ソノ?駄目よ、暴力は!

気が付くとアヤノが私の手を握っていた
で、赤蘭の前には優人が庇うように立っていた

・・・私も、暴力はよくないと思う。やめよ?

ソノちゃん…くーもそういうのあんまり良くないと思う

私は賛成よ、好きにすればいいじゃない。ほら?どうしたの?殴りたいんでしょ?早くしなさいよ?怖気づいたわけ?この白髪馬鹿

てめぇ…

はいはい!!そこまでだ、夢

話せよ!ギャランドゥ

ランデブーだ。全然違うだろっ!ったく…お前達いい加減にしろ!ここは喧嘩する場所じゃないんだぞ

うるさい!!!説教なんてうんざりなんだよ!!!いいから私は帰る!!どけよ!!クソ教師!!!!

おいっ…夢。一体何をそんな…

だから、てめぇが気安く私を…

ソノ

え、あ…

気が付くと私の体は何か柔らかい…暖かなモノの包まれていた
そうだ………アヤノが私の事を抱きしめたのだ

………

さっきまでうるさかった教室が一瞬で静かになっていた

落ち着いた?駄目だよ?ね?

アヤノ…うん。わりぃ、ちょっと昔に戻ってた…。その…ごめんな?

ううん。いいのよ。さ、席に着きましょう

あぁ…

そうして私は席に戻る事にした

おい、夢?大丈夫か

…何でもないです。すいませんでした

そうか…なら仲直りだな。赤蘭。お前こっちにこい

嫌です。私この人との仲なんて一生悪くて構わないです。っていうかなんで私が行かなきゃいけないんですか?

赤蘭、お前なぁ?

先生。私も別にそいつと仲良くなろうなんて思ってないから大丈夫。だから授業はじめよ

いや、しかしだな~

土方先生。私も早く授業はじめた方が良いと思います。もう、時間過ぎてるし

ん?あ、本当だな~…う~ん。まぁ、いい。ならはじめよう。だが、この問題はいつか必ず解決するからな?夢、赤蘭、忘れるなよ?

…無理です

だから解決しなくていいってーの

はぁ……では、気を取り直して授業を始めるぞ?いいか~

わーい、授業だ~。何するんだろう~?

さぁ、何かしらね?

ふふふ。楽しみね

よーし、では。お前達がこのクラスになってから初めての授業は…

確か…一時限目って体育って書いてあったよな?てか、クラス変わってから初めての授業が一時限目から体育って何だよ…謎すぎるだろ

そして教師ランデブーは口を開くと

鬼ごっこだ!さぁ、みんな急いで外に行くぞ!

そのあまりに斜め上の発言に私達は声を失うのであった

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