魔法使いを夢見る女の子。
彼女の元にある日魔法使いがやってきます。
魔法使いは言いました。
君に魔法が使えるならすぐになれるさ、と。
彼女にはどういうことかわかりません。
魔法が使えるようになったから魔法使いではないのかと問いかけます。
少女の問いに魔法使いは微笑んで言いました。
魔法使いはね、魔法みたいにそれをするだけで魔法が使えるわけじゃないのさ。
僕も空を飛べるわけではないしね、と魔法使いは続けて〆ました。
女の子は思いました。
魔法使いの女の子は思いました。
魔法使いになって空を飛びたかったのに。
魔法使いは飛べないなんて。
こうなったら飛べる方法を自分で見つけるしかない、そう心に誓いました。
そうして彼女は十数年後、飛行機を開発したのです。
人々は言いました「彼女は魔法使いに違いない」
彼女はその時初めて魔法使いが言った言葉を理解しました。
魔法使いとは私のような人なのだ、と。
おしまい。