リナちゃん。これどう思う?

ん?なにかなこのデータ。

うちの学校の文芸部の子が書いたお話なんだけど。
第三者のストレートな意見が聞きたいんだって。

ずぶの素人の私で大丈夫かね?

でも普通の読書はするでしょ?そういう人の意見が欲しいっていわれてね。

おっけ、そういうことならまずはさらりと読んでみるね。

魔法使いを夢見る女の子。
彼女の元にある日魔法使いがやってきます。
魔法使いは言いました。
君に魔法が使えるならすぐになれるさ、と。
彼女にはどういうことかわかりません。
魔法が使えるようになったから魔法使いではないのかと問いかけます。
少女の問いに魔法使いは微笑んで言いました。
魔法使いはね、魔法みたいにそれをするだけで魔法が使えるわけじゃないのさ。
僕も空を飛べるわけではないしね、と魔法使いは続けて〆ました。
女の子は思いました。
魔法使いの女の子は思いました。
魔法使いになって空を飛びたかったのに。
魔法使いは飛べないなんて。
こうなったら飛べる方法を自分で見つけるしかない、そう心に誓いました。

そうして彼女は十数年後、飛行機を開発したのです。
人々は言いました「彼女は魔法使いに違いない」
彼女はその時初めて魔法使いが言った言葉を理解しました。
魔法使いとは私のような人なのだ、と。
おしまい。

ふーん。ちょっと突飛に感じたところもあるけど、まあまあお話としてはまとまってるかな?

他にはなにかあるかな?

魔法使いの定義はちょっと面白かったね。
でもこれはおとぎ話じゃないかなー。
もっと訓話じみてるというか。
いっちゃうと説教臭いかも。

ふむふむ……率直な意見ありがとうねリナちゃん。

どういたしまして。
無責任にいっちゃったけど大丈夫かな?

書いてる子って、自分の作品が他人から見てどう見えるかすごーく気になるみたいなのね。
その視点は多ければ多いほどいいんだけど、リナちゃんの意見はきちんとあの子の参考になるはずだよ。
あらためてありがとう。

どういたしまして。
マッキーも編集者っぽいことできてうれしかったかな?

うん、ちょっと。
私もね、感想求められたりするんだけど、やっぱり日頃の付き合いがあるじゃない?
やっぱりそういう兼ね合いがって率直な意見だと受け取ってもらいにくいみたいだから。
こうして電脳の友達に読んでもらえたらなーって。

そっかー。マッキーもがんばってるね!

可愛い。

電脳遠距離コミュニケーション28

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