ねぇマッキー。これ作ったんだけど試食してみてくれない?

これは……。

リナがマッキーに差し出したのはローポリゴンで表示された。
リアルな電脳からは浮いた丸い何か。
手のひらサイズのそれは柔らかい月色を放っている。

この間公認プログラマー目指してみようかなーって話したでしょ。
公認は今からは無理でも、電脳お菓子作りくらいはチャレンジしてもいいかなーって。
食べてくれる?

……このクッキー?リナちゃんみたいだね。

はっ、まさかリアル体形のことを……。

そうじゃなくって!

ではその心は?

満月みたいに優しい顔で見守ってくれそうでしょう。

んー、あはは!うれしいこといってくれるねえ!

ふふ、じゃあいただき……。

ほほえみながらクッキーを噛んだマッキー^が顔をしかめる。

あ、あれ?不味かった?

いや、味は悪くないと思うのよ。ただ。
硬さの設定が……。

へ?ってかったぁああああい!
説明不要!!!

残ったクッキーを自分でもかじったリナはその硬度にたしかに。
ガキッという音を聞いた気がした。

あはは……ちょーっと失敗しちゃったね。

ご、ごめん!こんな基本的な設定ミスるなんて!
ごめんて!

いいよいいよ。でも今度はサックリふわふわのクッキー、お願いね。私のお月さま。

……うん。任されました。

電脳遠距離コミニュケーション27

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