高円寺コウジ

暇ですね

本間マコト

せやなー

波ナミコ

じゃあ仕事してくださいよ、博士

本間マコト

あー最近扉の見回りしてねーや

波ナミコ

しっかりして下さいよ。“扉”あってのマジガチリアル研究所なんですから

本間マコト

せやなー

高円寺コウジ

本間マコト

…あ!

波ナミコ

ちょっと博士!高円寺さんの前で扉の話は…

高円寺コウジ

…扉って

高円寺コウジ

あの扉のことか?みんな知ってたの…?

高円寺コウジ

てことは、『俺の秘密基地や!』とか思ってたけど、バレバレってことじゃん…

本間マコト

波ナミコ

高円寺コウジ

高円寺コウジ

…あの、

本間マコト

高円寺くん

高円寺コウジ

ぎくっ

本間マコト

…君には伝えてもいいだろう。…言っておかなければならないことが

波ナミコ

博士…

本間マコト

いいんだ。おそらく彼こそが…。

本間マコト

…君には秘密にしていたが、この研究所からすこし離れたところに、不思議な扉がある

高円寺コウジ

知ってる…

本間マコト

実はこの扉、鍵は刺さっているのだが、開錠することも、開けることもできない扉なのだ

高円寺コウジ

それは知らない…

高円寺コウジ

え?俺が知ってる扉は開けられたんだけど…

本間マコト

私はこの扉をずっと研究してきた。詳細な研究結果については長くなるので追々話すとして、重要な点だけ伝える

高円寺コウジ

…はい

本間マコト

私が出した結論は、『この扉を開けられるのは、扉に選ばれし、真の超能力者だけ』ということだ

高円寺コウジ

なるほど、だから俺開けられたのね。選ばれちゃったのね。綾鷹なのね

高円寺コウジ

てか博士、やっぱり僕の超能力認めちゃってるよね

本間マコト

まあ半信半疑ってとこだな

高円寺コウジ

頑固だなあ

本間マコト

だから最後のテストだ

高円寺コウジ

!?

本間マコト

君に扉が開けられるか挑戦してもらう

高円寺コウジ

…まじ?

高円寺コウジ

やばい!鍵は俺が持ってる。今、行ったら鍵がないことがバレっちまう

高円寺コウジ

正直に言えばいいのか…。そうすればここで、超能力者であることを証明できるわけだし

高円寺コウジ

…いやまて!あそこは『俺の秘密基地』!
俺が開けられないってことにしとけば、おそらく、他の誰も開けられない。

すなわち半永久的にあの部屋を私物化できる…!

高円寺コウジ

どうしよう…

本間マコト

さあ高円寺くん。最終テストだ!いざ扉の前へ…

高円寺コウジ

ちょっと待ってください!

本間マコト

どうした?

高円寺コウジ

ちょっとトイレに

本間マコト

すぐ終わるから我慢しなさい

高円寺コウジ

いや最終テストですよ?最高のパフォーマンスのために排便を済ませておきたいんです

本間マコト

おう!そのアスリート魂、関心だな

波ナミコ

アスリート魂…?

高円寺コウジ

ちょっくら行ってきます

本間マコト

おう!便器にハットトリックかましてこい!

波ナミコ

ハットトリック…?

高円寺コウジ

やっぱ、あそこは俺の大事なプライベートスペースだ…

高円寺コウジ

安寧の地をみすみす手放すもんか…!

高円寺コウジ

とりあえず扉のとこまで瞬間移動だ!

高円寺コウジ

ついたぞ…

高円寺コウジ

どうしようか…

高円寺コウジ

そうだ。とりあえず、鍵を戻しておいて、最終テストで開けられないふりをしよう。こうすれば扉は俺のもの…!

高円寺コウジ

よし、鍵を…

高円寺コウジ

…いや。もしこの鍵を指し直して、一旦研究所に戻ったとする。そのあと、テストのために、研究所から3人でここに戻ってくるわけだが、そのわずかな間に他の超能力者がここに来たら…!

高円寺コウジ

もしその超能力者も選ばれし者だったら…!

高円寺コウジ

この部屋はそいつのものになってしまう…!

高円寺コウジ

それはまずい…

高円寺コウジ

どないしよう…。早く研究所戻らなきゃだし…

高円寺コウジ

高円寺コウジ

せや!

高円寺コウジ

他の鍵をダミーとして刺しておけば、他の人に扉は開けられないし、博士たちも欺ける!

高円寺コウジ

ダミーの鍵か…。なにかあるかな…

高円寺コウジ

…あ。ポケットに実家の鍵

高円寺コウジ

この鍵無くなると、じっちゃん、ばっちゃんが留守の時実家に戻れなくなるけど・・・

高円寺コウジ

まあ、こんな辺鄙なところにわざわざ来る超能力者なんていないだろう

高円寺コウジ

よし。とりあえずダミーはOK

高円寺コウジ

戻ろうかな

イーソン卿

ようやく見つけた…。“冥界の門”。

シンよ、準備はよいか

新川シン

はい。仰せのままに…

本間マコト

高円寺くん!まだなの!?もうアディショナルタイム入ってるよ!

高円寺コウジ

ああ。すみません!

本間マコト

ながいよ~。さあ行こうか!

高円寺コウジ

…はい

高円寺コウジ

これで鍵開けられなかったら、博士たち、がっかりするだろうな…

高円寺コウジ

高円寺コウジ

自分だけの部屋のために、博士たちを欺くのは間違ってる気がするなあ…

高円寺コウジ

やっぱ正直に言うんだった…

本間マコト

さあそろそろ扉とご対面だ、高円寺くん!

波ナミコ

…!?

波ナミコ

ちょっと待って下さい、博士。誰かいます

本間マコト

なに!?

イーソン卿

さあシンよ!鍵を回すのだ!

新川シン

はい!イーソン様

本間マコト

おい!おまえたち!何をしている!

イーソン卿

なんだ!おまえたちは!

本間マコト

私はマジガチリアル研究所の本間だ!

イーソン卿

ははは!おまえが本間か!噂は聞いてる

本間マコト

ほう。私も有名になったものだ

イーソン卿

本気山にどМの変人がいるとな!

本間マコト

不名誉だ!

本間マコト

そんなことより、そこから離れろ!その扉は私が10年前から研究しているものだ!誰にも触れさせん!

イーソン卿

おまえ、自分だけがこの扉の存在を知っていたとでも?

本間マコト

…なに

イーソン卿

ははは!これを見ろ!

本間マコト

…!?

波ナミコ

鍵が…!?

イーソン卿

ついに冥界の門の鍵を手に入れたぞ!

本間マコト

なぜ鍵があのガキの手に…

イーソン卿

彼こそが、この扉の所有権の真の継承者、新川シンだ!

新川シン
本間マコト

なん…だと…

イーソン卿

今、扉を開けるつもりだったが、まあいい。鍵は手に入った。急ぐことはない

イーソン卿

シン!ずらかるぞ!

新川シン

はい!イーソン様!

本間マコト

ちょ、待て!

本間マコト

くそ!

波ナミコ

どうしましょう…、博士

本間マコト

どうもこうも、奴らの居所を突き止め、鍵を奪い返すしかない

波ナミコ

でも鍵の継承者は…

本間マコト

高円寺くんが真の超能力者でないと決めつけるのは早計だ。彼も継承者である可能性は多分にある

波ナミコ

…そうですね

本間マコト

負けてられるか!奴らから必ず鍵を取り返す!

高円寺コウジ

…絶対取り返してください

本間マコト

…?なんか元気ないな、高円寺くん

高円寺コウジ

取り返さないと…

本間マコト

そう落ち込むな、私は君のこと信じてるぞ

高円寺コウジ

波ナミコ

高円寺さん…

高円寺コウジ

……

高円寺コウジ

取り返さないと

高円寺コウジ

取り返さないと…

高円寺コウジ

じっちゃんに叱られる!!

第9話 ようやく敵登場!!バトル勃発?

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