月 月の城 牢屋

釣鐘セイカ

う、う~ん

シカナ

お、気づいたみたいですにゃ

セレナ

あら?思ってたよりお早いお目覚めね

釣鐘セイカ

ここは…って何!?何なの!貴方達!?ま、またコスプレ!?

シカナ

コスプレ?あっちの星の言葉かにゃ?

セレナ

…別に理解する必要ないでしょ。さっ、目が覚めたのならさっさと連れてきなさい

シカナ

了解しましたにゃ。セレナ様!さ、早くこっちに来るにゃ!!

釣鐘セイカ

え、ちょ、ちょっと待ってよ!って、こら!どこに連れて行くのよ!この…話しなさい!!

リューナ

全く…騒がしいね

セレナ

リューナ?居たの?…まぁ、あれでも巫女としての力はあるらしいから、役には立つでしょ

リューナ

うん、そうだね。少し騒がしい子だけど…役には立ってくれる筈だよ


月 月の城 資材置き場

シカナ

ほら!着いたにゃ!

釣鐘セイカ

だから痛いってば!…って、ここは何処なのよ!もう…何なのよ…あんた達!

シカナ

全くうるさいガキにゃ。さーて

釣鐘セイカ

あ、ちょっと鍵閉めないでよ!

シカナ

いちいちうるさいガキにゃ。時間になったら出してやるから大人しく待ってるにゃ~

釣鐘セイカ

あ、待ちなさいよ!ねぇ!!ちょっとぉぉぉぉぉ!!!!!!

カツカツ…

釣鐘セイカ

マジで行っちゃた…嘘でしょ。信じらんない…説明くらいしろってーの

シズク

はい、確かに。その通りですね。申し訳ないです…

釣鐘セイカ

って、え!?シ、シズクちゃん!?な、何で!?てか、いつの間に?

シズク

えーと、シカナ様に何か聞いていませんか…?

釣鐘セイカ

いや…何も聞いてないけど…てかシズクちゃんってさ…その…さっきのネコ耳や巫女狐の仲間?

シズク

セレナ様とシカナ様ですね。はい、その通りです。私は、その…私達は月の住人なんです

釣鐘セイカ

…はい?

シズク

そうですね。では、その、一から説明させていただきます

そしてシズクちゃんは語り始めた。

数時間後

シズク

…と、いう訳です。その…理解してもらえましたか?

不安そうな顔でシズクちゃんは私を見つめている
私は聞いた内容を頭の中でまとめていた
話の内容を要約すると、こんな感じらしい

・今、私は月にある『月の城』といわれる、とても神聖な場所に居る。
・城には、この月のセカイを統べる『月の女神』様が住んでいる。とても偉い神様のような人。
・シズクちゃん達は昔からこの月に住んでいる。私達との差も主に耳の形くらいしかない。
・月には魔法みたいな特殊な力を使える人間がおり、能力は様々。それらは力を持つ存在は『巫女』と呼ばれている。
・色々あって月は現在ピンチらしくて、そのピンチを救う為には、たくさんの巫女の力が必要。
・月の巫女だけでは力が足りないので、シズクちゃん達は地球に巫女の力を持つ人間を探しにきた。
・私を拉致した理由は、その巫女の力を持っているから。
・巫女として力は『発現』しないと使えない。その条件も詳しくは分ってないらしい。私はまだ『発現』していない。
・シズクちゃんも巫女だけど発現していない。だから見習いで修行中。
・巫女達を統べるのが『巫女長』こと、さっきの巫女狐。
・ネコ耳は巫女ではなく『月の兵団』って軍隊の偉い人。
・空気やら言葉の調整は全て女神様の『月の結界』による効果。

釣鐘セイカ

…こんな感じでいいのかな?

私はまとめた内容をシズクちゃんに伝えた

シズク

そうですね。はい、それで問題ありません。セイカさん理解するのがお早いですね。凄いです

釣鐘セイカ

いや、理解はしてない。言われた内容をただ繰り返して話しただけ

シズク

いえ、それでも凄いです。巫女の力を持つだけはありますね

釣鐘セイカ

そうなの?その…あんまり実感湧かないっていうか…そもそも何で私に、そんな力があるのわかったわけ?

シズク

それは女神様の力のお蔭です。女神様はどれだけ離れていようとも巫女の力を感知できますから

釣鐘セイカ

それが…私だったわけ?

シズク

そうです。女神様も驚いていました。まさか私達が住む星の他にも巫女としての能力を持つ存在がいるなんて

釣鐘セイカ

…そうなの。でも、どうやって月に来たの?宇宙船とかあるわけ?

シズク

いえ、『アマノガワ』を渡って来ました

釣鐘セイカ

アマノガワ?え?アマノガワなの?微妙に時期がズレてる気がするけど

シズク

おそらく類似した存在ですね。アマノガワは数年に一度だけ、この季節だけに現れる星と星を繋ぐ大きな橋の事です

釣鐘セイカ

まぁ…一緒っちゃ一緒だね。説明ありがとう。何となく分ったよ

私はもう何でもよくなっていた。

シズク

ありがとうございます。では月の危機が回避出来次第、すぐに地球にお返ししますので、シカナ様がお戻りになるまでもうしばらくここで待っていて下さい

釣鐘セイカ

了解。あのネコ耳が来るまで大人しく待ってるよ

シズク

お願いします。では、これで私も

そう言うとシズクちゃんは部屋から出て行った
ほぼ同じくらいに鍵の閉まる音が聞こえた

釣鐘セイカ

行ったか…ごめんね。シズクちゃん

一人になった部屋で呟くと、私は脱出の準備を始めるのであった

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