うちには妖怪が住んでいる。
なんてことを真顔で言うと、「ああ、こいつ……」って哀れむような顔をされるか、「ウハハ、真顔で言うなよ、ちょっと信じかけたし!」とちゃかされるか、「そういうのがいてもいいかもね」と、生暖かい目で見つめられるか、だいたいそんな反応が返ってくる。
それでも僕はいう。うちには妖怪が住んでいる。
はっきりいうが、妖怪はいる。この世界にしっかりと存在している。
僕はいわゆる霊感ってやつが強いらしく、子どもの頃からそういうのが見えていた。だから、妖怪の存在というのは当たり前のもので、暮らしの中にある日常だ。
そのために被った面倒ごとはもうどんな言葉で取り繕っても、いい訳が出来ないほどたくさんある。それを否定されるのは非常に腹立たしい。
だから、僕は記すことにした。妖怪がいる日常というやつを、書き残すことにした。
だから、これはあくまで僕の日常だ。
たまに命がけだったりもするが、基本的に妖怪とのなんでもないようなことを綴った、それだけの話だ。
脚色することも出来るのかもしれないが、起こったことをそのまま記す。
その方が、妖怪の姿をより知ってもらえるだろうから。
最後にもう一度言っておく。