夢を見た。
海里くんと、白玉だんごを作る夢を見た。
二人がかりでこねた白玉を茹でながら、どうやって食べようか話をしていた。すると海里くんが氷白玉あずきにしたいと贅沢なことを言い出して、茹で上がった白玉を水に取って冷やす間、今度は二人でかき氷を作った。
真新しいかき氷器は赤いアイスクリームスタンドをかたどった手動式で、私たちは代わりばんこにハンドルを回した。私も海里くんも甘い物が好きだから、毎日のおやつを生み出す為の作業は全く苦じゃなかった。むしろ出来上がりを楽しみにしながら、大はしゃぎで氷を削った。楽しい夢だった。
私が忘れっぽいのか、それとも夢ってものが元々そういう性質なのかはわからない。
ともかく私は、その日見た夢を、目覚めた直後は忘れている。
今日だって、海里くんと白玉粉を混ぜて、伯父さん家の古い台所で鍋にぐらぐらと湯を沸かして、白玉だんごを茹でている間にようやく気づいた。