第10話


真実



あずみの手を握る真希子。

真希子

板垣さん、ごめんなさいね。あなたに罪を着せようとして。ずっとあなたの若さと美しさを汚したかった。直也を奪われた事よりその感情の方が強かったのかも。醜いでしょう、私

あずみ


逃げ出すように走り去るあずみ。

草野

おい!

花園

もう彼女はいいわ。私が言うと説得力に欠けるかもしれませんが、男って女よりロマンティストなんですよ


箱を開ける草野。

中からハート型でアイスブルーの指輪。

リングに刻まれた“MAKIKO.G”

草野

ハートアクアマリンといって、芸術的な想像力、自己表現力を高める力があるそうです

花園

後藤真希子さん、あなたが今夜のお姫だったんです

草野

直也さんの書斎にあったデータをプリントアウトしたものです


用紙を真希子に手渡す草野。

読む真希子。

真希子へ 

君は僕にとってどんな存在なのかとふと思う時がある。

妻か?
ビジネスパートナーか?
母か?
恋人か?

あまりに多くの時間を過ごしてきたために
僕の感覚はマヒしてしまっている。

こんなに近くにいるのに答えはどこか遠い海に流されてしまったようだ。

でもこれだけは言える。


僕たちは出会って10年経ったのだ。


時の流れは止められないが、
僕たちは確かにこの10年を支えあって生きてきたね。

このまま頼りなくてわがままな僕の最後を看取るのは君しかいない。

ささやかではあるがこの指輪に僕の10年間の感謝を込める。

受け取ってほしい。

そしてこれからの人生を君に捧げます


愛しています


後藤直也



草野

この手紙と一緒に直也さんの書斎にこれが


バラの花束を受け取る真希子。

真希子

…どうしてあのときちゃんと言ってくれなかったのよ

花園

奥さんを驚かせたかったんでしょう。同じ立場なら私もそうしたかもしれません

真希子

初めから何もかも知ってたのね。どうして、今日が私たちの結婚記念日だってわかったの?

花園

はい、理由は2つあります。一つは入った時、カレンダーの今日の日付にピンクで印が。あなたにとって何か大事なお祝い事があったのでしょう。あともう一つは


真希子の胸に薔薇の花を差しながら

花園

出会った時からあなた、失恋した乙女の目をしていたんですもの


ハートの指輪に落ちる真希子の涙。

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