第2話 「絵本から出てきたプリンセス」
第2話 「絵本から出てきたプリンセス」
イッテテ…………
彼女の名は、「フラン・フローレンス」
彼女は絵本の中にある王国、ワンダーランドの姫である。
…………ここどこかな。私の王国とはかなり違う風景が広がってる………
彼女のいた王国ワンダーランドは、悪の手によって襲われてしまった。その悪の手は、フランにも襲いかかったが、彼女の母親、ワンダーランドの王女「シャーロット・フローレンス」によって寸手のところで救われ、この現実世界に飛ばされてきたのである。
どうやったらお家に帰れるかな……帰る手段を探さなきゃ。
それにしても、この世界の土地はフカフカしてるのね。
そりゃあそうだろ
俺の腹に立ってんだからな
え???
なあ………早く降りてくれないか……………
っはひ!!ごごごごめんなさいぃ……………
ったくよぉ………アンタなんなんだよ!いきなり空から降ってきて!!ここに座ってた俺の上に落ちてきて!!!挙句の果てに俺の腹の上で立ちやがって
あわわ!それはちょっと色々と話せば長くなる事でええ~~~あああのホホホ本当にごめんなさい!!!!
まぁ……アンタが無事なら良かったぜ。
で、名前は?
私の名前は、フラン・フローレンスです。
Oh…………I can't speak English.
なぜ急に英語。私は外国人ではありませんよ。
じゃあハーフか!?
いえ…………私は絵本の国の住人なんです。
あー………
電波じゃないので安心していただいて大丈夫ですよ。
……………夢があっていいと思うぜ!!
いや、だから…………
フランの言うことはなかなか信じてもらえなかった。
それもその筈。いきなり目の前に、「わたしは絵本の国のお姫さま」なんてヤツが現れたら、このような扱いを受けるのが普通である。
やっぱりそう思われてるか………ならば。
あの~実は私、家を追い出されてここまで来たんです。それで、この街でどこか宿泊出来る所とかありませんか?
家を追い出された?何かあったのか??
それを話すとややこしくなるので、お話できませんが……多分しばらくここで暮らすことになるんだと思います。
そうか。それは困ったな………
私はどこでも大丈夫なので、どこかありませんかね?
宿泊っつったって、お金はいくらあるんだよ。
おっ……お金???まさかカッ……カツアゲ!?!?!?
カツアゲジャネーシ。
宿泊するにも、宿泊費とかがないと泊まれねぇだろ?
えっ!そうなんですか!?!?
当たり前だろ。
………何でワンダーランドのホテルはタダで泊まれたの????
※それはフランはお姫様だから。
で、金はいくら持ってんだ。
おっお金は…………全く持って来ていません。
無一文でよく宿を探そうと思ったな。
ぐひっ…………
身寄りは?
いません………
そうか………なら、もしアンタが嫌じゃなければ、俺の家にしばらく住むといい。
え?………え?え!?いやいやそれはちょっと。
やっぱり、いきなり初対面の男にこんな事言われると、そりゃあ嫌だよな。
あっ!!いや、そうじゃなくて!……………あの、迷惑ではありませんか????いきなり空から落ちてきた変な私をあああなたの家に置いておくというかなんというかその~……
本当に………いいんですか?
だから、アンタが嫌じゃないなら。
ありがとう!…………改めまして、よろしくお願いします!!
こちらこそ、自己紹介まだだったな。
俺の名前は、今藤 六だ。よろしくな。
ろくくんね!!…………言いづら。
じゃあ、ろっくんで!!!!
ろっくん!?!?そんな名前で呼ばれるのは初めてだ…………
まぁ好きに呼んでくれ。じゃあ早速俺の家に案内しよう。
他人の家ってワクワクするな~!
ウチみたいな螺旋階段あるのかな!!
プールとか!!!!
何コレ。家?
ちっせーしキタネー。
好きな所に座ってくれ。
え?椅子は?
椅子なんていらねぇだろ。
あ~………
つづく。