シュンは、日本刀を取り出して構えた。
ここは目立ちすぎる。近くの公園へ移動しようか。
うん。そうしよう。
さてと・・・ここでいいな。
うん。じゃあやろうか。
シュンは、日本刀を取り出して構えた。
そんな武器まで使うのか。マジなんだな・・・
僕だって死にたくないからね。
ならこっちも刀を用意させてもらう。
トウヤは銀の指輪の力を引き出し、雷の刀を作り出した。
こいつの硬度は鉄以上。さらに雷も生み出す優れものだ。ただの日本刀じゃこいつには勝てないぜ。
それはどうかな?僕だってさっきの戦いで成長してるんだ。負けるものか!
雷の刀を作り出すなんて凄い。完璧に指輪の力を使いこなしているわ。
うおおおおっ!
来い!
二人の剣が交わり交差し、鍔迫り合いになった。
鍔迫り合いは力の強い俺の方が有利だぜ!
ぐぅぅ
鍔迫り合いをしていた刀は、徐々に均衡を失い、トウヤの剣が押し勝った。突き飛ばされたシュンは体勢を崩した。そこをすかさずトウヤの剣が襲う。
シュンの腹部を剣が斬り裂いて、大きな傷を作った。そしてそこから大量の出血が始まる
はぁ・・・はぁ・・・
僕には治癒の力がある。命ある限り何度でも立ち上がるぞ!
シュンの腹部に緑色の光が降り注ぎ、傷は瞬く間に消えていった。
一撃で終わらせないと、きりがねーな。
そうさ!僕は何度でも回復できる。だがそっちは違うだろう?一度致命傷を受ければ終わりだ。この勝負は僕が圧倒的に有利なんだよ!!
くっ・・・シュン。てめーいい気になってんじゃねー。
そんな攻撃当たらない!
くそっ!!
落ち着いて。私も加勢するから、それで確実に仕留めましょう。
くっ・・・
銀の指輪の力を最大限に開放する。
ミクの銀の指輪から、無数の光が放たれた。
眩しい!!
今よ!トウヤ。剣を突き刺して、そこから電流を流せば終わるわ!!
おう。任せろ!
うぅぅ
シュン。これで終わりだ・・・
うぅ・・・
・・・
どうしたの?トウヤ。早く!!
・・・
だめだ。やっぱり俺にはできねーよ。
トウヤは、シュンに刺さった雷の剣を引き抜いた。
はぁ・・・はぁ・・・
シュンは指輪の力を解放し、トウヤにつけられた傷を治していった。
ふぅ・・・
ミク。すまん。俺にはやっぱり親友を殺すなんてできねーわ。
そうよね。二人は親友だものね。いいわ。私が戦うから。
いや、ミクも戦う必要はねーよ。
えっ。どういうこと?
ミクは、人工知能で制御された世界をぶっ壊したいんだよな。だったらストレートにコンピュータに戦いを挑めばいいんじゃねーの?
それは一番はじめに考えた事よ。でもそれは出来そうもないって私は判断したの。コンピューターは無数にあるわ。とてもじゃないけど全てを壊すことなんて出来ないのよ。
全てのコンピュータが独立して動作してるのか?
いいえ。全てを統括するマザーコンピュータがあって、そこから世界中のコンピュータへと回線が繋がっているわ。
じゃあそのマザーコンピュータに的を絞って、攻撃を仕掛ければいい。
警備がとても厳重なのよ。とてもじゃないけど突破できないわ。
・・・
現状に不満を持った奴は他にいねーのか?
いるかもしれないけど、探し出すのは困難だわ。だって全てが管理された世界だって言ったでしょ。全て監視されているのよ。
困難だからって避けてたら何も変わらない。まずは、未来の現状に不満を持っている人間を探すんだ。
こういうのはそんな簡単に解決できる問題じゃない。長期的に考えるべきだ。
・・・。現状に不満を持った人を探してどうするの?
仲間を増やして、マザーコンピュータに攻め込むんだよ。一人なら無理でも仲間が沢山いれば可能だろ?
うん。それがいいかもしれないわね。
絶望的だけど、その方法に賭けてみる。シュンみたいな無関係ないい人を殺して歴史を変えようだなんて、私は間違ってたわ。
トウヤ、シュン、今まで色々ありがとう。
さようなら。
俺も行く!
でも、これは本当に長い戦いになるわ。凄く危険だし、この時代にいつ戻ってこれるか分からないのよ?
それでも構わない。惚れた女のためなら何だってする。
嬉しい・・・
あはは・・・ラブラブだね。
からかうなよ。
・・・
僕も行くよ。人出が必要なんだろ?
いいの?普通の日常には戻れないかもしれないのよ?
構わないよ。だって、この事件の元々の責任は僕にあるからね。僕がやらなければいけない事なんだよ!
そう。じゃあ、意見は固まったわね。二人とも本当にありがとう。
行きましょう!世界を壊しに!!
The End