トウヤ

ここは目立ちすぎる。近くの公園へ移動しようか。

シュン

うん。そうしよう。

トウヤ

さてと・・・ここでいいな。

シュン

うん。じゃあやろうか。

シュンは、日本刀を取り出して構えた。

トウヤ

そんな武器まで使うのか。マジなんだな・・・

シュン

僕だって死にたくないからね。

トウヤ

ならこっちも刀を用意させてもらう。

トウヤは銀の指輪の力を引き出し、雷の刀を作り出した。

トウヤ

こいつの硬度は鉄以上。さらに雷も生み出す優れものだ。ただの日本刀じゃこいつには勝てないぜ。

シュン

それはどうかな?僕だってさっきの戦いで成長してるんだ。負けるものか!

ミク

雷の刀を作り出すなんて凄い。完璧に指輪の力を使いこなしているわ。

シュン

うおおおおっ!

トウヤ

来い!

二人の剣が交わり交差し、鍔迫り合いになった。

トウヤ

鍔迫り合いは力の強い俺の方が有利だぜ!

シュン

ぐぅぅ

鍔迫り合いをしていた刀は、徐々に均衡を失い、トウヤの剣が押し勝った。突き飛ばされたシュンは体勢を崩した。そこをすかさずトウヤの剣が襲う。

シュンの腹部を剣が斬り裂いて、大きな傷を作った。そしてそこから大量の出血が始まる

シュン

はぁ・・・はぁ・・・

シュン

僕には治癒の力がある。命ある限り何度でも立ち上がるぞ!

シュンの腹部に緑色の光が降り注ぎ、傷は瞬く間に消えていった。

トウヤ

一撃で終わらせないと、きりがねーな。

シュン

そうさ!僕は何度でも回復できる。だがそっちは違うだろう?一度致命傷を受ければ終わりだ。この勝負は僕が圧倒的に有利なんだよ!!

トウヤ

くっ・・・シュン。てめーいい気になってんじゃねー。

シュン

そんな攻撃当たらない!

トウヤ

くそっ!!

ミク

落ち着いて。私も加勢するから、それで確実に仕留めましょう。

シュン

くっ・・・

ミク

銀の指輪の力を最大限に開放する。

ミクの銀の指輪から、無数の光が放たれた。

シュン

眩しい!!

ミク

今よ!トウヤ。剣を突き刺して、そこから電流を流せば終わるわ!!

トウヤ

おう。任せろ!

シュン

うぅぅ

トウヤ

シュン。これで終わりだ・・・

シュン

うぅ・・・

トウヤ

・・・

ミク

どうしたの?トウヤ。早く!!

トウヤ

・・・

トウヤ

だめだ。やっぱり俺にはできねーよ。

トウヤは、シュンに刺さった雷の剣を引き抜いた。

シュン

はぁ・・・はぁ・・・

シュンは指輪の力を解放し、トウヤにつけられた傷を治していった。

シュン

ふぅ・・・

トウヤ

ミク。すまん。俺にはやっぱり親友を殺すなんてできねーわ。

ミク

そうよね。二人は親友だものね。いいわ。私が戦うから。

トウヤ

いや、ミクも戦う必要はねーよ。

ミク

えっ。どういうこと?

トウヤ

ミクは、人工知能で制御された世界をぶっ壊したいんだよな。だったらストレートにコンピュータに戦いを挑めばいいんじゃねーの?

ミク

それは一番はじめに考えた事よ。でもそれは出来そうもないって私は判断したの。コンピューターは無数にあるわ。とてもじゃないけど全てを壊すことなんて出来ないのよ。

トウヤ

全てのコンピュータが独立して動作してるのか?

ミク

いいえ。全てを統括するマザーコンピュータがあって、そこから世界中のコンピュータへと回線が繋がっているわ。

トウヤ

じゃあそのマザーコンピュータに的を絞って、攻撃を仕掛ければいい。

ミク

警備がとても厳重なのよ。とてもじゃないけど突破できないわ。

トウヤ

・・・

トウヤ

現状に不満を持った奴は他にいねーのか?

ミク

いるかもしれないけど、探し出すのは困難だわ。だって全てが管理された世界だって言ったでしょ。全て監視されているのよ。

トウヤ

困難だからって避けてたら何も変わらない。まずは、未来の現状に不満を持っている人間を探すんだ。

トウヤ

こういうのはそんな簡単に解決できる問題じゃない。長期的に考えるべきだ。

ミク

・・・。現状に不満を持った人を探してどうするの?

トウヤ

仲間を増やして、マザーコンピュータに攻め込むんだよ。一人なら無理でも仲間が沢山いれば可能だろ?

ミク

うん。それがいいかもしれないわね。

ミク

絶望的だけど、その方法に賭けてみる。シュンみたいな無関係ないい人を殺して歴史を変えようだなんて、私は間違ってたわ。

ミク

トウヤ、シュン、今まで色々ありがとう。

ミク

さようなら。

トウヤ

俺も行く!

ミク

でも、これは本当に長い戦いになるわ。凄く危険だし、この時代にいつ戻ってこれるか分からないのよ?

トウヤ

それでも構わない。惚れた女のためなら何だってする。

ミク

嬉しい・・・

シュン

あはは・・・ラブラブだね。

トウヤ

からかうなよ。

ミク

・・・

シュン

僕も行くよ。人出が必要なんだろ?

ミク

いいの?普通の日常には戻れないかもしれないのよ?

シュン

構わないよ。だって、この事件の元々の責任は僕にあるからね。僕がやらなければいけない事なんだよ!

ミク

そう。じゃあ、意見は固まったわね。二人とも本当にありがとう。

ミク

行きましょう!世界を壊しに!!

The End

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