プレイヤー名
豊根 海
Kai Tyone
プレイヤー名
豊根 海
Kai Tyone
識別ID
TEF52
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ようこそ、
Social Mystery Engineの世界へ
機械音声による歓迎の言葉を最後に、僕は気が付くと森の中に立ち尽くしていた。
眼前には、ギラギラと輝く太陽に照らされて、洒落た木造建築が佇んでいる。
中に入ってみよう。
誰に指示をされるわけでもなく、僕はそのコテージの入口へ続く階段を上った。
カランコロン、とドアベルを鳴らす。
少し広めのエントランスには、思った通り、すでに数人の人だかりができていた。
1、2、……自分を含め、7人だ。
来た、来た
……これで全員かな?
ブブブ、と左手首に振動が伝わった。
いつの間にか、電子腕時計のようなものが装着されている。
触れてみると、ホログラム上の画面が浮かび上がった。
PLAYER:FULL
文字が切り替わる。
GAME START
PM01:00
よろしくお願いします。
僕はそう言って、周囲に軽く会釈をした。
よろしく、と数人が返してくれたが、全員ではなかった。
次に、もう一度左手首の端末に触れた。
誰もが皆、僕と同様に、ホログラム画面内の『CHARACTER』という文字をタッチする。
何よりもまずは、登場人物の確認といこう。
CHARACTER
豊根 海(Kai Toyone)……YOU
片倉 透(Toru Katakura)
志島 宗一(Soichi Shijima)
結木 空(Sora Yuki)
赤城 遙香(Haruka Akagi)
武井 加奈子(Kanako Takei)
藤堂 優奈(Yuna Todo)
えー皆さん、私、このコテージの管理人の志島といいます
今から皆さんに客室の鍵をお渡ししますので、こちらへ……
彼は受付カウンターの裏に回り込むと、カウンターの下側……棚になっているスペースから、6人分のルームキーを取り出した。
それと、19時から21時までが夕食の時間ですので、お忘れなく
各々が鍵を受け取り、自室の場所を確認しに行く。
僕は……205号室だ。
例に倣い、僕はエントランス脇にある階段を上り、自室へと向かった。
ガチャリ。
ドアを開くと、思ったよりも広い洋室。
8帖くらいだろうか。
僕はベッドに腰掛けると、端末のホログラムから『PROFILE』ページを確認した。
例えば、志島さんのPROFILEは『コテージの管理人』。
つまるところ、これは僕に与えられた『設定』の詳細だ。
PROFILE
あなたはフリーライター。
記事のネタを求め、観光地として有名なここ、
『紫陽花島』を訪れる。
透き通るオーシャンブルー、
コテージの絶品料理を求め、
毎年夏に紫陽花島を訪れるツーリストは後を絶たない。
一泊二日の旅行期間中、
あなたは何を経験し、どんな記事を書くのだろう。
あまり情報が多くない、ありきたりな設定だ。
とりあえず、このコテージの間取りと、島の全容を確認しておいた方がいいかもしれない。
僕はテーブルの上に置いてあったキャンパスノートとペンを手に、部屋を後にした。