見上げると


空にはいつもあの星があった


キレイ…とてもキレイ…あの星が


いえ、キレイなんて言葉ではとても足りない


たとえ…この世にあるどんな言葉を用いようとも


あの星の美しさを現す事なんて出来ないだろう


あぁ、なんて美しい星なんだ、と






少女は






その星に恋をしていた

月  月の城 女神の間

女神ルナ

分かりましたね?シズク

シズク

はい。ルナ様

女神ルナ

地球での行動はくれぐれも気をつけて下さい

シズク

大丈夫です。私には女神様のご加護がありますから

セレナ

あー、嫌だ。私だったらあんな臭そうな星に行くなんて耐えられないわー

…滅多な事を言わない方がいいよ。セレナ

セレナ

あー、はいはい。分かりました。
なにせルナ様からの大命だもんね?

リューナ

そうだ。君や僕が口を出して良い話ではない

セレナ

分かってるわよ。そんな事!
全く本当に全部しっかりね!!

女神ルナ

セレナ、リューナ。二人共やめなさい

リューナ

はい。申し訳ありません。ルナ様

セレナ

…分かりました

女神ルナ

では、任せましたよ。シズク

シズク

はい。ルナ様

地球 日本 設楽高校  2年A組

釣鐘セイカ

はー、めんどくさーい

釣鐘セイカ

早く世界滅びないかなー。超つまらない

西宮兎

あんたが滅びろ、セイカ。
そして早く目の前の宿題を片付けろ

釣鐘セイカ

滅びたら宿題を片付けられないよーん。
バカウサギ!

西宮兎

…帰るわ。見たいドラマあるし、じゃ。

釣鐘セイカ

嘘です。フェイクだってフェイク!
冗談じゃーん

西宮兎

はぁ~…あと分からない所はどこ?

釣鐘セイカ

いえーい!愛してるよ!!ウサギ!!!
ニンジン食べる?

西宮兎

いらない。ニンジン嫌いなの
知ってるでしょ?
だから、その手を、ニンジンをどけろ!

釣鐘セイカ

えー、せっかく私のお昼をあげようと
思ったのに…

西宮兎

昼ごはんの弁当でニンジン一本持ってきて、サラダって言い張る高校生はあんただけだろーね…

釣鐘セイカ

その哀れむような視線は止めてー!!!
良いじゃん好きなんだから!!

西宮兎

はいはい。もーいいから宿題終わらせよ?
この後、遊び行くんでしょ?

釣鐘セイカ

そうだよ!今日は待ちに待ったお祭りの日
なんだよ!!

西宮兎

月祭り(つきまつり)でしょ?
あんな古臭い祭りに行くなんて…
ホントあんたって変わってる

釣鐘セイカ

良いじゃん!小さい頃から、なんか雰囲気
とか好きなんだからしょうがないでしょ?

西宮兎

だからって、よく毎年欠かさずに
行けるわね…なんか不気味じゃない?

釣鐘セイカ

みんな、そう言うけど私はそう思わないんだよねー

西宮兎

まぁ、参加してる大人もなんだかんだ楽しくしてるって聞くしね

釣鐘セイカ

あれは、ただお酒飲んで楽しいだけだよ。
大人は飲めればなんでもいいんだよ

西宮兎

あぁ、そうか…そうだね。

釣鐘セイカ

そうそう。あ、ウサギ?ここの問題は
どう解くの?

西宮兎

ん?あぁ、ここはな…


その日

私達、いや私は今日中に終わらせなければいけない

宿題を片付けていた

居残りだ

そして二時間後

悪戦苦闘しつつもなんとか宿題を終わらせる事が出来た

釣鐘セイカ

あーーーーー終わったーー!!!!!!

西宮兎

おめでとう~ぱちぱちぱちぱち

釣鐘セイカ

ありがとー!兎のお陰だお!!

西宮兎

あー分かったから。早く先生に
提出しに行こうよ

釣鐘セイカ

おっと、そうだね。机の上片付けて
ささっと行こーーーー!!!!

西宮兎

おー早く行ってきなー。私は靴箱の前で
待ってるから

釣鐘セイカ

りょ!んじゃ、言って来まーす

西宮兎

全く騒がしい奴…

私は猛ダッシュで職員室に行き

先生に課題を提出し急いで靴箱に向かった

靴箱

釣鐘セイカ

待ったー?ウサギ?

西宮兎

はえーよ。3分も掛かってないわ

釣鐘セイカ

まぁ、私は足速いからねー

西宮兎

あぁ、そうだった。あんた昔から足だけは
早いよね

釣鐘セイカ

だけって…そんな本当の事言わないでよ

西宮兎

認めるのもどうかと思うけどな…さぁ、
急いで?バス来ちゃうよ?

釣鐘セイカ

おっと、そうだった。よし全力ダッシュ!!

西宮兎

え?ちょっと、手を掴むなって…

なんとかバスの時間に間に合い

私達はバスに乗った

釣鐘セイカ

はー、なんとか間に合ったね?ウサギ

西宮兎

………はぁー…はぁー……

何故かウサギはぐったりしていた

釣鐘セイカ

どうしたの?ウサギ。ぐったりして

西宮兎

あ、あんた…の…スピードに合わせて…
走ったからでしょ…

釣鐘セイカ

あ……ご、ごめんね?そんなに早くしたつもりはなかったけど

西宮兎

はぁー…もう、いいわよ。
次から気を付けて……

釣鐘セイカ

…ごめん

ウサギが回復するのと同じくらいに

私達はバスを降りた

西宮兎

で?セイカ。あんたは、この後どうすんの?一回家に帰る?

釣鐘セイカ

んー、汗もかいたし、家に帰って
お風呂入った後にお祭り行こうかなー

西宮兎

浴衣は?また私の母さんに着付けてもらう?

釣鐘セイカ

んー、今年はいいや。毎年着てて
飽きちゃった(笑)

西宮兎

あっそ…まぁ、いいけど。
んじゃ、私も家帰るわ

釣鐘セイカ

りょ。お祭りは来る?

西宮兎

あんた、学校で私と何を話したか
覚えてないわけ?

釣鐘セイカ

覚えてるけど一応だよ。一応

西宮兎

はいはい。分かった。んじゃ、さよならー


私に背を向けて帰ろうとするウサギ

釣鐘セイカ

あ、ウサギ!

西宮兎

ん?

釣鐘セイカ

今日はありがとねー。愛してる!!!!

西宮兎

あー私は、そこまで愛してないから。
あ、あと宿題手伝った報酬忘れんなよー

釣鐘セイカ

…あ、はい。お昼今度奢るね…

西宮兎

あーよろしくー。じゃ

釣鐘セイカ

…うん。おつかれー


中学からの親友は時折冷たい

釣鐘セイカ

はぁー帰ろ…

複雑な思いから

私は家に急ぐのだった

第一章 星の恋歌(ホシノウタ)

facebook twitter
pagetop