医者

手術を開始します。

ちえの手術は8時間にも及んだ。幸いにも腕のいい医者に当たったため、神経縫合もうまくいき、腕は元通りにくっついた。

ちえ

先生。私の腕は元通りに動くようになりますか?

医者

大丈夫。厳しいリハビリは必要だけど、元のように動かせるようになるよ!

ちえ

ホント!よかったぁ。

さくら

ちえちゃん・・・ごめんね・・・。私、なんて言ったらいいか分からない。

ちえ

ううん。大丈夫。気にしてないよ。だって私を助けるためにやってくれたんでしょ?

さくら

うん。そうだよ。ちえちゃん、あの日本刀を持ってからおかしくなってたから、どうにかしなきゃって思ってたの。

ちえ

あのね。私、あの日本刀を持ってから、心をあの日本刀に支配されていたの。

ちえ

ずっと何かを斬りたい欲求に動かされていたの。

さくら

そうなんだ。

ちえ

ずっと持っていたから分かるんだけど、あの日本刀は、妖刀ムラマサって言うんだって。

さくら

あっ。聞いたことある。

ちえ

うん。そんな怖い刀だから、もう少しで私の精神は崩壊する所だったんだよ。

ちえ

それを助けてくれたのが、さくらちゃん。本当にありがとう。

さくら

ううん。私、酷い事しちゃったから、お礼はいいよ。

ちえ

そっか。もうこの話はなし!終わりにしよっ。とにかく私達は助かった。それでいいじゃん。

さくら

うん。ありがと。ちえちゃん。

こうして彼女達の、長い1日が終わりを告げた。ちえとさくらはこの1ヵ月後、また別の事件に巻き込まれるのだが、それはまた別のお話。

END

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