ちえ

あ、あれ?ここはどこ?

目が覚めたのね。

ちえ

ねぇ。なんで私こんな所にいるの?トイレにいたはずなんだけど、気付いたらここにいたの。どういうこと?

私があなたをここに連れて来たのよ。

ちえ

なんで私をここに連れてきたの?

私の友達になって欲しかったの。だから連れて来たの。

ちえ

こんな強制的に連れて来るなんて酷いよ。そんな事しなくても友達ならなってあげるよ。

ホントに?友達になってくれるの?じゃあ早速だけど、そこのフェンスを飛び越えて、飛び降りてくれる?

ちえ

なんでそうなるのよ!嫌よ。そんな事したら死んじゃうじゃない。

そうよ。死ぬのよ。私の友達になるというのはそういう事なの。

ちえ

・・・

ちえ

もしかしてあなた死んでるの?

そうよ。私は死んでるわ。

ちえ

なんで死んじゃったの?

4年前、この小学校に刃物を持った男が侵入したの。そして、児童5人、先生一人を殺傷したわ。

私はその時に殺されたのよ。

ちえ

そんな・・・。ひどい・・・。

そして、私は幽霊になったの。気付いたら、学校に居たわ。

最初は他の児童4人と先生も幽霊になってここに居たの。だから寂しくはなかった。でも、時がたつに連れて、一人、また一人と成仏していったわ。

そして4年たった今では私は一人ぼっちになっていた。誰もいない学校でずっと寂しかった。

ちえ

そうなんだ。かわいそう。ここから出る事はできないの?

私は学校に執着があるみたいなの。だから出たくてもここから離れられないのよ。

ちえ

そっか。4年も一人で寂しかったんだね。

そうよ。だからあなたに友達になって欲しいの。だから今すぐ死んでね!

ちえ

それはできないって言ってるでしょ。

・・・

ちえ

死んであげる事はできないけど、友達ならなるから、それでいいでしょ?ねっ。

・・・

その時、まばゆい光とともに、突如さくらが現われた。

さくら

あ、あれ?ここは?

ちえ

さくらちゃん!

さくら

ちえちゃん!

ちえ

突然居なくなってごめんね。

さくら

今こうして会えたからいいよ!

さくら

所で、今どういう状況なの?

ちえ

えっとね。私はこの子に連れられてここに来たの。

ちえ

この子は幽霊で、寂しくて私を友達にしたくて呼んだんだって。

さくら

そうなんだぁ。かわいそうだね。

ちえ

さくらちゃんはどうやってここに来たの?

さくら

それが分かんないの。私は校門を出たつもりだったんだけど、いつの間にか、周りが明るくなって気付いたらここにいたの。

ちえ

へぇ。そうなんだ。不思議だね。

それは私がやったのよ。あなた達が逃げられないように、仕掛けをしといたの。

さくら

そっか。ねぇ。私達お家に帰りたいの。その仕掛けを解いてくれる?

友達になってくれるならいいよ。

さくら

いいよ。なろう。友達。

私、遊びたい。

さくら

うん。遊ぼう!

ちえ

遊ぼう!

3人は、鬼ごっこや、かくれんぼをして遊んだ。相手は幽霊だが、そんな事は気にせず、めいっぱい遊んだ。楽しい時間はあっという間にすぎ、1時間が経過した。

To be continued

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