ー首都アルザレア
  〜ハジメノ街道ー







勇者

行くぞ、ポチー!

ポチ

ゲフーッ!






ハジメノへ向かって


陽気に歩き出す勇者様御一行。




それを遠巻きに眺めながら


佇むライルさんがいました。




ライル

まさか、こんなところまで
ブラインドバットが出現するように
なっているなんて……。

スライムの行動範囲も広がっているし……。

ライル

……それにしても
勇者様は天に愛されているというか
なんというか……。

それを垣間見た気がする……。

ライル

シーラ様が心配していないというのも頷ける。

…けど

ライル

私の心労は意味がありましたかねぇ?

ライル

まぁ、これで良かったんですよね…。

勇者様にバレずに武器を渡すことが
できたんだし…

目的は勇者様の旅の
効率化なんだし……。

……グスッ






泣き言をひと通り呟いたライルさんは


当初の目的通り薬草を集めに


フカイ渓谷へ向かうことにしました




















初めての勝利






















勇者

よーし、ハジメノまでの道の
中間地点についたぞ。

ちょっとここらで腹ごしらえしないと、途中で倒れちゃうぞ。

ポチ

ゲフッ

勇者

どこかに手頃な食用モンスターは
いないかなーっ、と……。

勇者

んー、スライムはたくさんいるんだけど
高度な調理しないと
食べられないしなぁ。

何より俺スライム愛好家だし…。



ふと道端に目をやると


不自然に掘り返されたような


地面の跡がありました。


勇者

ん…あそこに居るかも…






勇者様は足元の小石を2〜3個拾い上げ


地面の跡にぽいぽいと投げつけました。







すると、どうでしょう。


奥の茂みが小石に覆いかぶさるように


動くではありませんか。



ファンガスが現れた!
どうする?

勇者

やっぱりファンガスだね。
掘り返した跡に興味を持った獲物を
狙ってたんだ。

ポチ

ゲフッ

勇者

さて、悪いけど一部もらうよ!



勇者様は新品の短剣を逆手に構え


ファンガスに向かって一足飛びに斬りかかりました。



勇者

ストレートスラッシュ!(Lv1)

ぴぎゃー




身の一部を削ぎ取られたファンガスは


のそり、と茂みの奥へと消えていきました。



勇者はレベルが上った!
勇者はレベルが上った!
勇者はレベルが上った!

勇者

俺達も生きるためには
何かを食べないと
いけないんだ。

許してくれ。

ポチ

ゲフッ

勇者

さて、茶色い傘の部分は
すぐにでも焼いて食べるとして…

赤い傘と黄色い傘の部分は
しばらく干して毒抜きが必要だな

ファンガスの切り身(黄)を手に入れた!
ファンガスの切り身(赤)を手に入れた!
ファンガスの切り身(茶)を手に入れた!

勇者

日も暮れることだし
今日はここで火を炊いて
夜営するとしよう



勇者様は拾い集めた焚き火用の枯れ木に向かい


指を十字に組み呪文を唱えました。

勇者

プチファイア!(Lv4)












\てってれー♪/

勇者

ファンガスソテー、うまい!







勇者様は


焼いたファンガスの身をかじりながら


今回の旅の初勝利の余韻にひたりました。





勇者

まだレベル4かぁ……

ポチ

ゲフッ























つづく




【現在の装備】
レベル  :4
ぶき   :新品の短剣
よろい  :いつもの服
かぶと  :いつもの額当て
たて   :なし
どうぐ  :ファンガスの切り身(黄)
      ファンガスの切り身(赤)
なかま  :スライム

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