ー勇者の家ー
ー勇者の家ー
さて、と。
まずは装備品に
苦労しないようにしないとね
勇くんが。
シーラ様、お呼びですか?
ライル、旅の準備をしましょう
旅の準備
ライル…
僕、そんな名前だったんですか?
今、決めたの。
素敵でしょ?
あ・・・はい・・・
とても素敵です。
でしょう?
はい、ライル
時間がもったいないから
旅の準備!準備!
でも、ちょっと待ってください。
シーラ様は勇者様に
留守のあいだを頼むよ
と、言われたじゃないですか?
したがって、旅に出ることは
この私が許しません!
えーっと
リュックサックでしょ
どうのつるぎでしょ
あと薬草と毒消し草と、鋼鉄のよろいはまだ早いかな…。
あの…シーラ様?
薬草と毒消し草は足りなそうね…
集めていかないと…
シーラさまぁ〜…
?
ですから・・・
シーラ様が旅に出ることは
この私が許さないって
言ってるじゃないですかぁ
私は旅にでませんよ?
え…
だって、旅の準備…
勇くんの旅の準備ですよ。
勇くんがきっと待ってるはず…
早くしてあげないと!
勇くんが、私に留守を
まかせてくれたのですから…
私は精一杯、留守番をします
これが相思相愛ってものなのね…
あ…あの…
ちょっと 頭の中を整理させて下さい…
シーラ様がしている旅の準備は
勇者様の旅の準備。
しかし、勇者様はもう旅立ってしまった…
シーラ様は旅に出ないで
留守番を精一杯やる…
これは私が望むことではありますが
では準備した勇者様の荷物はどうするのか?
にこにこにこにこ
………
にこにこにこにこ
ハッ…!
…この荷物、私めが勇者様に
お届けするということで
宜しいでしょうかぁ?
こくり。
勇くんはライルのこと知らないから
手渡すような事をしてはダメですよ?
あと、薬草と毒消し草の件も宜しくね?
かしこまりましたぁ…
薬草と毒消し草を途中で集めながら
勇者様にばれないように
お届けいたしますぅ…
ありがとうね、ライル。
はい、これメモね。
あなたがいてくれて
とっても助かるわ。
は……はい!
では、行ってきます!
シーラ様の喜びは
私の至上の喜び……。
あの人を悲しませたりはしません。
さて、だいぶ時間が経ってしまった…
勇者様が出られてから半日、といったところか…
……
……急ごう
<ライルのお仕事>と書かれた紙を
渡されたライルさん。
たくさんの荷物を持ち
勇者の家を後にしました。
少しでも早く勇者様に追いつけるように、と。
はたして、勇者勇様に荷物を無事届けることが
出来るのでしょうか?
つづく
【現在の装備】
レベル :1
ぶき :刃こぼれした短剣
よろい :いつもの服
かぶと :いつもの額当て
たて :なし
どうぐ :なし
なかま :なし