遠い遠い昔のことです。
あるところに
アルザレアという王国がありました。
アルザレア王国は
心優しい王様のもと、
王国には平和が続いていました。
遠い遠い昔のことです。
あるところに
アルザレアという王国がありました。
アルザレア王国は
心優しい王様のもと、
王国には平和が続いていました。
ーーある日の事、
アルザレア王国を
突如として暗雲が覆いました。
そして、その闇の中から
アインスタークと名乗る魔王が
現れたのです。
魔王アインスタークは
魔物の軍団を率いつつ、
巧みに人心操作をし
次々とアルザレア王国を侵攻、
三大大陸のペイ大陸とウスト大陸を
その手中に収めました。
……そして残るはアルザレア大陸のみ。
敗色濃厚の中、
疲弊した王国軍の前に
一人の青年が現れました。
その名は勇。
傍目にはパッとしない青年で、
豪腕でもなく
強力な魔法を使うわけでもない
青年勇ですが
なかなかどうして、
アインスターク軍を次々と撃破していき、
戦局を一変させました。
その快進撃に
民衆はいつしか青年を
こう呼び始めました。
勇者勇、と。
そしてついに、
勇者様は魔王アインスタークと
対峙しました。
ー魔王アインスタークの居城ー
追い詰めたぞ、アインスターク!
くっ……。仲間と引き離したというのに、この私が押されるとは……。
たとえ離れ離れでも、我らの意思は揺るがない!
トドメだ!
喰らえ、アインスターク!
必殺…
ペタスラッシュ!(Lv65)
ぐおおぉぉ・・・!
!!
討魔の剣も折れた……。
これで決まらなかったら……。
はぁ、はぁ・・・やったぞ・・
みんな・・・
魔王アインスタークが
今際の際にポツリと漏らします。
…勇ましき者よ…
覚えておくが良い。
目に見えるものが…
全てと…思わぬ…こと…だ。
勇者様の活躍により
魔王アインスタークは倒され
アルザレア王国に平和がもたらされました。
功績を讃えられた勇者様は
王女の1人であるシーラ姫を
妻として迎えることになりました。
王様は勇者様に広大な領土や豪邸も
与えようとしました。
しかし、勇者様は…
私とシーラ姫が住めるだけの広さがあれば十分です。
…と、断りました。
こうして、勇者様とシーラ姫は
街外れに住まい、仲むつまじく暮らしました。
まれに魔王アインスタークの残党が
街に現れることもありましたが
その度に勇者様がこれを退け
平和な日々が続いていました…
旅立ちの日
今日も平和だなー。
でも、パトロール行ってくる!
行ってらっしゃい、勇くん
気をつけてね。
さてと、お昼ごはんの準備しなくちゃ。
お呼びですか、シーラ姫
今日のお昼は何がいいと思う?
スライムとマタンゴの煮付けなんか
どうかな~?
そういったことは勇者様に聞いたほうが
良いと思いますよ?
勇くんはパトロールで忙しいから
私が何とかするの。
勇くんが食べたい物も。
………
じゃあ、
スライムとマタンゴの煮付けで決まりね!
はぁ、はぁ……
!!
い、勇くん!
どうしたのそんなに慌てて!
お昼ごはんはまだだよ!?
大変だ。
新たな魔王、ツヴァイが
この国に侵略してきた!
まあ
なんてこと・・・
これからすぐに魔王ツヴァイ討伐に向かうよ。
だから、シーラは・・・
わかりました
共に参ります!
ち、ちがうよ
シーラは危ないから家にいて
留守のあいだを頼むよ
……えっ
また、離ればなれになってしまうのですね…
ごめん…
わかりました。
私も勇者の妻、覚悟はできております。
勇くんが無事に帰ってくるのを
…この家で待っています。
ありがとう、シーラ
じゃあ、行ってくる!
あ!
勇くん、お昼ごはん…
行っちゃった…
勇者様…
僕に…気づきませんでしたね
勇くんは夢中になると周りが見えなくなるところがあるから心配なの
旅の準備をして行ったようには
見えなかったのですが
大丈夫なんでしょうか?
重装備とかお金とか…
勇くんはサバイバルに関して
誰よりも長けているから
それは問題ないんだけど…
問題ないんだ…
でも、効率が悪いから
帰ってくるの遅いんだろうなぁ
おばあちゃんになる前に
帰ってきてくれるかな…?
経過日数=宿屋の宿泊回数
ですね。
みなさんどのくらいかけてるんですかね?
………
わたし、決めた!
勇くんが早く帰ってこれるように
ここから勇くんの手伝いをする!
こうして
シーラさんの新たな物語が
始まりました
つづく
【現在の装備】
レベル :1
ぶき :刃こぼれした短剣
よろい :いつもの服
かぶと :いつもの額当て
たて :なし
どうぐ :なし
なかま :なし