イザナミ

もうこの時期か・・・

・・・あの子、大丈夫かしら

イザナミ

・・・はぁ・・・騒がしい時期・・・ね・・・

織姫

もう!!あり得ないわ!!

イザナミ

今度は何事よ。織姫

織姫

聞いてくださいよ!!イザナミ様!!
男ってほんっとサイテーなんですよ!!

イザナミ

今回も長くなりそうね・・・

それから二時間後・・・

織姫

まったく・・・あり得ないわ。
あんな男を好きになったなんて!!

イザナミ

今回は二時間程度で済んだようね。
大半似たような話だった気がするけど・・・

織姫

聞いてますか!!イザナミ様

イザナミ

聞いているわ。仲がいいってことがよーっくわかったわ。

織姫

そうなんですよー。この前も一緒にショッピングに―って

織姫

やっぱり聞いてないじゃないですか!!

イザナミ

聞いているわよ。
前半30分間はそのお買い物中にケンカになったってこと話していたわ。
中盤一時間は日常の不満を事細かく語っていた。

イザナミ

最後の30分間はのろけ話じゃない。・・・ほんと、妬ましい・・・

織姫

・・・え!!

イザナミ

嫌いだの、もう嫌だの言っている割には、彦星をしっかり見ているじゃない。
それに、なんやかんや言って最後は彦星のことしか言ってないわよ?

織姫

・・・

イザナミ

大体、今日みたいな日にケンカしていてはだめよ?いつものことだけれども・・・

織姫

・・・だって・・・

織姫

ほかの女としゃべっているのだもの!!許せないわ!!

イザナミ

・・・ほかの女?あの ザ 草食系 シリーズに並んでる彦星が・・・

それは・・・この世の終わりかしら?

織姫

そんな、安物みたいに言わないでください!!
それに、あの人は草食系ではなく。ただ単に優しすぎるだけです。

イザナミ

まぁ・・・これはこれは、申し訳ないわね。

イザナミ

でも・・・これなら大丈夫そうね・・・

織姫

何がです?

イザナミ

稲荷、連れてきなさい。

稲荷

あ・・・もうよろしいので?

織姫

あ・・・あの?

イザナミ

大丈夫よ。引きずってきなさい。

稲荷

はいはーい。

彦星

ちょっと・・・引っ張らないで下さいよ。

稲荷

五月蠅い、優男
さっさと覚悟を決めやがれ。

彦星

そ・・・そういったって・・・
は・・・恥ずかしいし・・・

織姫

彦星!!

彦星

お・・・織姫・・・

イザナミ

さて、稲荷
お茶にしましょう。

彦星

え・・・ちょっと、まって・・・

織姫

・・・

彦星

・・・

稲荷

・・・大丈夫でしょうか?あの二人・・・

イザナミ

まぁまぁ、見てなさいな。

彦星

・・・その・・・ごめん
何か怒らせたみたいで・・・

織姫

別に・・・怒ってないし・・・

彦星

・・・

彦星

あの・・・これ

たもとから縦長の小箱を取り出した。

その箱には真っ赤なリボンがついていた。

織姫

これって・・・

彦星

実は、稲荷さんに頼んでいろいろ見て回ったんです。
僕、あまり詳しくないので・・・

でも、織姫には秘密にしたかったんだ。

織姫

もしかして、あの時いた女性って・・・稲荷だったの?!

織姫

で・・でも、他の女の子とも歩いてたわよね!!

彦星

稲荷さんが「予行練習もかねておかないとね。」と言って、いろいろしてくれたんです。
でも、あまり進歩は・・・ないですけど・・・

彦星

・・・開けてもらえます?プレゼント

気に入ってくれればいいけど・・・

イザナミ

あら、まさか稲荷がそんなことまで・・・
今日は台風かしら?

稲荷

あー、まぁ・・・
毎年このケンカを見ている私としましても、少々かわいそうかなーなんて思いまして・・・ね。

イザナミ

そう。
まぁ、私としては・・・毎年こうやって仲のいい二人が見れるのも悪くはないと思うわ。

稲荷

それもそうですね。

稲荷

あ、そういえば
先日、良い茶菓子をですね―

七夕日和(七夕スペシャル)

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