傷だらけの鎧が埃を被ってしばらく経つ。

村人F

…………

 俺は今日もセーニョ村の畑をひたすら耕していた。
 相変わらず作物の種を植える予定はない。
 しかも『力』がかなり成長したので、加減を間違えると土を吹っ飛ばしてしまう。
 それをいかに抑えるかが、最近はまっている修行だった。

 そうそう、村は旅に出る前よりも少しだけ賑やかになった。
 ほら、広場で追いかけっこをしている男の子と女の子がいるだろう。

女の子

あはは!

男の子

待ってよう!

 あの二人は村で新しく生まれた子供である。
 もうすぐ、三人目も生まれる予定だ。

しらべる

 背後から『布の服』の裾をちょいちょいと引っ張られた。
 そこに立っていたのは、『ゆったりとした服』を着た女性だ。

勇者

…………

 かつて勇者だった彼女は俺の手を『しらべ』、走り回る子供たちを穏やかな笑顔で見守る。
 そして、俺は晴れ渡った空を見上げる。

村人F

やあ! 今日はいい天気だな!











『しらべる』勇者と村人Fな俺

08. セーニョ村の日常、再び

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