シンディ

亀夫君問題の謎を解き明かし、「フッ、この程度の問題、私がさっさと創り出してやろう」と息巻いたライナー君。

シンディ

しかし、作り方なんて知らないだろうと思った私は、仕方ないので教えることにしたのであった。

シンディ

まったく、私の手を煩わせるとはライナー君の癖に!
しかしここはラテシンユーザーのみんなのため、私は苦行に耐えることにしたのだ!

ライナー

そんなに改ざんされると前の話がどんなのだったか思い出せないだろ。

シンディ

いや、読者のみなさんはライナー君じゃないから、別に前の話くらい覚えているだろうし。

ライナー

そうか、自分のことは棚に上げるスタイルか。

ライナー

さて、亀夫君問題を作ることになったわけだが……

シンディ

そうみたいね。
じゃ、頑張ってね。私はOさんとスイーツ食べに行くから

ライナー

さっき「私が教える」って言っていたじゃないか。
しかもOさんとスイーツ食べに行ったら破産するぞ?

シンディ

えーだってめんどくさいしー、Oさんのおごりだしー

ライナー

Oさんは金持ちだから大食いなのだろうか?

シンディ

別にどっちでもいいだろう?
財布はライナー君のものなのだから。

ライナー

勝手に人の財布を使わないでくれ!

シンディ

えー、私の裸を見ようとした上に10000円くれないのに?

ライナー

だからあのゲームは無効だって!

シンディ

で、茶番はどうでもいいんだけど、やるの? やらないの?

ライナー

え、いや、まあ、やるのはやるけれども……

シンディ

ライナー君、人にお願いするときはお願いの仕方というものがあるのだよ?

ライナー

シンディから言いだしたんだろ!?

シンディ

はぁ……まったく。仕方ない、無礼なライナー君がどうしてもと言うのなら教えてあげなくもないが……

ライナー

無礼な人間にされちゃったよ……

シンディ

1000円もくれない貧乏なライナー君だから仕方ないな。今回だけだぞ?

ライナー

そのネタ、いつまで引っ張るのだ?

ライナー

まあいいか。「亀夫君問題」っていうのは、登場人物になりきって出題する形式なんだよな。
要するに……

シンディ

要するに?

ライナー

……

シンディ

……?

ライナー

どうすればいいのだ?

シンディ

分かっているんじゃなかったのかい?

ライナー

いや、いざ作るとなると、どうしてよいものかと……

シンディ

どうしてよいものかと……と言われてもねぇ。
せっかく問題に参加したのだから、同じような問題を作ってみればいいじゃないか。

ライナー

いや、それが思い浮かばなくてね……

シンディ

まあ、亀夫君問題はいろんなバリエーションが考えられるから、何問も解いてみないとどういう問題を出せばいいかわかりにくいかもね。

シンディ

一番考えやすいのが、「何か困っていることに対して解決策を考える」ことかな。
今回みたいに、「本を探しているけれどどこにあるか分からないから探してほしい」みたいな依頼をさせるのが手っ取り早いよ。

ライナー

なるほど……ほかには、「お使いに頼まれたから一緒に探してほしい」とか?

シンディ

そうそう、特に子供のお使いなんかだと、考えやすいね。

シンディ

後は「記憶が無くなってしまったから自分が何者なのか知りたい」とか、「部屋や建物から脱出したい」とか、そういうのもあるよ。

ライナー

なるほど、確かに参加者の助けを借りながら脱出を試みる、「亀夫君問題」っぽいな。

シンディ

こういう風に、ただ「困っている状況を何とかする」ということを考えただけでも、いろいろと考えられるよ。

シンディ

まあ、最初だから、何かを探すような問題が考えやすいかな。

ライナー

うむ……最初だし、それで問題作ってみるか。

シンディ

ちなみに、「ウミガメのスープ」でもそうだけど、問題は最初のうちは「シンプルにする」方がいいよ。
特に「亀夫君問題」ではね。

ライナー

えーっと、ということは、「掃除機を買いたいから探してくれ」とかそういうのかな?

シンディ

お、それいいね。採用!

ライナー

いや、適当に言ってみただけなんだけど……

シンディ

最初はそれくらいシンプルな問題のほうがいいよ。
極端に言うと、問題は「こうしてほしい!」という一文で説明できいるもの、FA条件も「こうすること!」といった感じであっさりしていたほうが、いろいろと楽だよ。

ライナー

いろいろ楽、と言われても、既に難しそうな雰囲気が出ているのだが……

シンディ

とはいっても、問題が決まったら後はFA条件決めるだけなんだけどね。

ライナー

それはそうなのだが……

ライナー

FA条件といっても、水平思考を取り入れなければならないのだろう?
そう簡単に設定できるとは思えないけれどね。

シンディ

お、なんだ、ちゃんと分かっているじゃないか。

ライナー

ま、まあ、一応ラテシンのマスコットキャラクターですから。

シンディ

そう、亀夫君問題を作る上で難しいのが、「どうやって水平思考を取り入れるか」なんだ。
「ウミガメのスープ」はその点、最初からそういう意識をして作るから、水平思考を取り入れやすいと言える。

シンディ

しかし、「亀夫君問題」は、最初の方でも言ったかもしれないけれど、「TRPG」になりやすい。
単に解答ルーティン(こうしたらこうなる、という流れ)だけを組みこむだけだと、TRPGになりやすいね。

シンディ

まずは、どういうふうに水平思考を組みこむか、それを考えた方がいいね。

ライナー

いや、しかしただ掃除機を買うだけの問題に水平思考とは……

シンディ

あれ、結局掃除機を買う問題にするんだ。

ライナー

あれ、掃除機案は採用されたんじゃなかったのか?

シンディ

別に掃除機だろうが扇風機だろうが植毛だろうが、どれでもいいんだけれど。

ライナー

だから私をはげさせようとしないでくれ。

シンディ

思いつかないときは、日常的に疑問に感じたこととか、突拍子もないこととかを考えるといいよ。
常識の範囲外を考えることも、水平思考では重要だからね。

ライナー

突拍子もないことと言っても、例えば世界を征服して作らせるとか、掃除機を作る工場をまるごと買うとか、そういうものしか思い浮かばないが……

シンディ

おお、いいねそれ。FA条件はそれにしよう。

ライナー

いや、あの、冗談で言ったんだけど。

シンディ

意外といいと思うんだけどな。工場を買い取って好みの掃除機を作らせるっていうの。

ライナー

いや、だって工場を買うって非現実的だし、買い物に来たのにそんなお金なんて普通持ってきていないだろう……

シンディ

うーん、頭固いねぇ。
そんな常識を打ち破るのが「水平思考」ではないのかい?

ライナー

あ、いや、まあそうなんだが……

シンディ

ライナー君の言う通り、普通は買い物にそんな工場を買うような単位のお金なんか持ってこないだろう。
仮に「お金に糸目はつけない」などと言われても、せいぜい「じゃあ100万円の掃除機でもいいのか!」くらいのレベルになるだろう。
「無制限」という言葉を用いても、どこかでブレーキを掛けてしまうものさ。

シンディ

でも、もしそんなブレーキや思考の壁を壊すような問題ができたら……

シンディ

おもしろいと思わないかい?

ライナー

ふむ、なるほど。
出題する方も常識を破らないと、なかなかおもしろい問題を作るのは難しそうだ。

シンディ

もちろん、「工場を買い取る」みたいな常識的に考えられないようなものばかりではないけれどね。

シンディ

今回だした「返却棚」だって、図書館に行けば目にすることもあるだろう?
でも、その存在を隠すだけで、解決策がいきなり絞り込まれてしまう。

シンディ

当たり前のことを、不思議な話にするのも、出題者の腕次第だよ。

ライナー

確かに、最初から返却棚が見えていれば、すぐさまそこを探す発想にたどり着いたかもな。

ライナー

いろいろなところに出かけた時に、問題になりそうな出来事を覚えておくのも、一つの手段だね。

シンディ

出題になれると、そういうことを考えながら生活するようになっちゃうかもね。

ライナー

生活の視点ががらりと変わってしまいそうだな。

ライナー

しかし、今回は「工場を買い取る」という方向で進めてみよう。

シンディ

まさかライナー君が、工場を買えるほど金持ちだったとはねぇ。

ライナー

僕は買わないよ!
掃除機のためにそんな大金出せないしそんな大金持ってないよ!

シンディ

こんな感じで、次は問題として完成させていくよ!

【今回のまとめ】
・亀夫君問題はあくまで「水平思考問題」。しっかり水平思考を取り入れよう。
・身の回りには水平思考のヒントになるものが多い。当たり前のことでも、問題の作り方によってはおもしろい問題になる。
・「常識」を捨て、常識外のことを考えてみよう。

亀夫君問題を作る①:どんな問題にするか考える

facebook twitter
pagetop