18:40
やっぱりミヤちゃんと整理したとき
置きっぱなしにしてた紙がない……
ここは私がいた昼じゃないんだ。
うーん……
私は2022年6月10日の滝沢 多岐、
私には昼と夜の記憶がある、
最初の記憶もある、何もかもを全部
覚えている……はず。
この時間では何をすればいいんだろ……
夜に仕掛けて、昼に解いて……
それだけじゃないのかな。
ん、窓の隙間に風が通ってる。
私達は窓なんて開けなかったよな……
……ここから見下ろせるのは裏庭か。
そういえば行ってなかったな……
調べてみるか。
ここにも、『!』の文字がない……
今はいったいいつなんだろう。
……ん?こんなシャベルあったっけ……
花壇の土も掘り起こされてる……
ちょっとどけてみるか。
なっ……これは……
……死んでる。
伏せてる下側が潰れてるから、
飛び降りかもしれない……
顎が硬い。手は……まだ。
死んでからそんなに経ってない……
……死んで、埋められたのかな……
ポケットには何も入ってない。
元通り埋めておこう……
はあ……は……
っ……吐いてる時間はない、
大丈夫、大丈夫、大丈夫……
……この時間に何があったんだろう。
死んじゃうぐらいのことなんて……
……眼鏡も一緒に埋まってた。
どんな性格だったんだろう……
18:40
結局少し吐いてしまった……
何も食べてないから胃液だけだったけど。
はあ……どうすればいいんだ。
あと一時間と少ししかない……
私は消えたくないと思った……
だからこの時間にきたのかな。
何を残したらいいんだろう……
人が死ぬくらいの今日に目覚めたこと、
何か意味あるのかな……
……そういえば、どこにいるんだろう。
この時間の……どこかで、死んでたり
するのかな。