魔力を使う人間との勝負に無事勝利した魔法使い。そして、騎士と剣闘士は対戦相手となる男性と睨み合っていた。

剣闘士

……。

騎士

……。

騎士

……。

勇者

……。

魔法使い

ねー。睨みあってないでさっさと始めたらー。

だらけすぎです!

魔法使い

だってあたし勝ったもーん。もうなにもしないもーん。

魔法使い

ていうか姫はなにもしてないじゃん。役立たずじゃん。

戦えないんだから仕方ないじゃないですか!

姫はいつもどおり姫らしく邪魔になっていた。

邪魔なのが私らしさっておかしいですよね!

私はなにも知らない。

騎士

ふんっ、お遊びで旅をしてるやつらなど相手にしてる時間ももったいない。さっさと終わらせてしまおう。

女勇者

騎士さん。殺してはいけませんよ。

騎士

ご安心を我が主。おそらく訓練にもなりません。

剣闘士

なんどもバカにしやがって。

騎士

……。

二戦目は剣闘士&騎士と男性の組み合わせとなった。

騎士

さて、さっさと終わらせてしまおう。かかってくるといい。

剣闘士

なめやがって!ぶっ倒してやる!

剣を構えて駆け出す剣闘士。
そして男性に向かって剣をふるった。

男性はその剣を軽々と避けた。

騎士

ふん、力強い剣だ。

騎士

しかし、太刀筋がガタガタだな。当たらなければ意味がない。

剣闘士

くっそ!なんで当たんねーんだ!

騎士

……斬る!

騎士は剣闘士の影から、不意を突く形で剣を突き出す。

騎士

ほう、示し合わせたわけではなさそうだが、いい連携だ。

それをも男性に鞘で受けられる。

騎士

正確性と素早さは評価してやる。だが、力不足だな。これではいつまでたっても致命傷は与えられん。

騎士

……くっ。

騎士

やはり時間の無駄だな。早めに終わらせてしまうとしよう。

男性は剣を抜き、構えた。

騎士

さて、何分耐えられる?

騎士

……!?

ギィン!

騎士

……。

騎士は驚くべき素早さの剣を受け止め鍔迫り合いになる。

騎士

ギリギリ受け止めたといった感じだな。

剣闘士

んのやろう!

剣闘士

ぐはっ。

男性は鍔迫り合いの状態のまま、剣を構えていた剣闘士に蹴りを入れた。

騎士

隙だらけだ。鎧も急所しか守られていないからこういう攻撃も防げない。

騎士

……剣闘士!

剣闘士

う…ぐ…。

騎士

そして、相手の状態が崩れたにも関わらず優位に持ち込めない。やはり力不足だ。

騎士

……くっ。

騎士

終わりだな。

男性は騎士の状態を崩すと、一瞬の隙を突き、騎士の殴った。

騎士

……。

騎士は吹っ飛び、起き上がることはできなかった。

剣闘士

くっそぉ…。

騎士

勝負あり、だな。

剣闘士&騎士 VS 騎士 女勇者たち一行WIN

勇者

強い…。

剣闘士様!騎士様!

仲間のピンチも気にしたことがない姫が、ついに人の心を持ち、二人に駆け寄る。

なんでそんな非情な人間みたいに言うんですか!

私はなにも知らない。

剣闘士

くそ、くそ。

勇者

二人とも大丈夫か。

剣闘士

勇者…ごめんな…勝てなくて。

勇者

もともと戦ってほしくなかったんだけどな。

勇者様!騎士様の意識がありません!

騎士

……。

騎士

安心しろ。気絶してるだけだ。
主様の命だからな。

騎士

だが、やはり雑魚は雑魚だ。これ以上恥をさらす前に早く帰ったほうがいい。

なんでそんなひどいことばかり言うんですか!

青年

騎士さん。彼らも魔王討伐を任された方々です。そこまで言わなくても。

様子を見に来た青年が騎士に言う。

騎士

この程度の実力では間違いなく途中で死ぬ。

そんな…。

騎士

偽物よ。仲間の死が見たくなければ、早々に荷物をまとめて帰るんだな。

騎士

死ぬのは仲間だけではなく、お前もかもしれないがな。

勇者

……。

まだです!

ヒステリックになったように突然叫ぶ姫。

まだ勇者様が戦っていません!

魔法使い

姫もだけどねー。

いえ、私は戦えないので。

騎士

ふん、あくまで嘘を突き通すというのか。

騎士

だが、それは主様次第だな。

男性が女勇者に向き直り、返答を求める。

騎士

いかかがしましょうか、主様。

女勇者

いいでしょう。そちらの勇者と私とで一騎打ち、これですべてを決めましょう。

勇者

オレはできれば戦いたくない。

いつまで言ってるんですか!私たちの旅の今後がかかってるんですよ!

勇者

………。

一人の騎士に圧倒的な強さを見せつけられた、勇者たち一行。口の減らない姫に煽られる勇者はどうするのか。

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