僕は、人が信用できない。
いつからだったかなんて、覚えてないけれど。
とにかく僕は人を疑うことをよくした。
小学校の頃からそんな風にあったというのが記憶に残っている。
告白してきた女の子を、腹の底ではなにを考えているかわからない…なんて理由で振ったこともあるし。
そんな僕が自分の世界に閉じこもるのは当然なわけで。
本を読み漁った時期もあればネトゲに一日の大半を費やしたこともある。
でも引きこもりにはならなかった。引きこもりになれるほど、親を信用できなかった。
周りの人が疑わしくて、疑わしくて、気が狂いそうだった。親しい友人など、それこそネットの世界にしかできなかった。生身の人間は、語りすぎる。表情からうかがえる失望すら、僕には苦痛だった。
そんな僕が長生きできるはずもなく。
呆気なく、交通事故で命を落とした。