彼が『それ』を靴箱の奥から引っ張りだしてきたということは、今夜が彼にとって正念場になるということだった。なお、私が彼の元に訪れてから通算十回目の正念場である。
先程チェックした天気予報によると今夜は雲ひとつ無い快晴らしい。きっと、満天の星空を拝める夜になるだろう。彼からすれば絶好の勝負日和となりそうだ。
季節が秋に迫って空気が少しずつ冷え始めた土曜の昼。人気のない駐車場。彼はを塗りつけたスポンジで私の身体をこすり始めた。鼻歌交じりではあるけれど、しかし真剣に、私の身体の曲線を丁寧に磨き上げていく。
私の自慢はこのボディラインであり、彼もひと目でそこに惚れたようだ。彼の少し固い手によって、私の身体に手入れがなされていく。彼は少し下品な笑顔で、喜びを隠しきれないといった様子だった。