第一話! 平和構築!
第一話! 平和構築!
ようこそ、カルロ・ゼンのグルメコーナーへ。
このコーナーでは、カルロ・ゼンのほとばしるグルメへの思いから、古今東西の食について語らう文化的なコーナーです。
ちなみに、良い子の皆には一つだけ注意が。
注意ですか?
ええ、そのとおり。取り扱われるお酒や煙草などは20歳を越えてからですよ!
それ、ここで言うべきなんですか?
当たり前でしょう? 私たちは、清く正しいグルメレポートをお届けするのですからね。
では、始めましょう。
本日ご紹介するのは、……?
どうしました? はやく、読み上げてください。
……あの? グルメですよね、このコーナー
もちろんですよ?
モスクワ……1930年代。
あの、これはグルメ……ですよね?
そうですよ。当たり前のことを聞かないでください。
さぁ、続けますよ。
スターリン主催の会食。
がさつもののフルシチョフは、バクバクと手づかみで食べていた。
あることにたまりかねたスターリンは、一言、それを口にする。
ニキータ、ナイフを使え。
その言葉を聞くや否や、フルシチョフはナイフを手に立ち上がった。
はい! で、誰を、やるんで? 同志スターリン?
……あの、なんです? これ?
何って、文化的に正しいテーブルマナーの一例ですよ!
は?
皆さんは、テーブルマナーを煩雑なマナーだと勘違いされていませんか?
うわっ、なんか理念とか七面倒なことを……。
違います。
え?
テーブルマナーとは、『平和』の為の最低限のマナーです。
はい?
皆さんは、先ほどのソビエト・エピソードで『フルシチョフ』が野蛮だなとか思われた方が居るかもしれません。
ナイフを振り回し、他人を害する野蛮さ?
はっきり言いましょう。
そういう方こそ、実は野蛮です。
あの、何を? ナイフ持って、人を殺そうとか、どうみても野蛮じゃないですか!
その通りですね。でも、テーブルナイフと殺人の歴史は余りにも長いんです。
……テーブルナイフで人を殺せると?
勿論です。こちらを、ご覧ください
……あの、剣ですよね、これ?
そうですよ? 中世ヨーロッパでは『手づかみ』で食べるか、『武器に使えるナイフ』で切り分けるかして食べていました。
だから、文明的なところでテーブルマナーを採用して、『ナイフを振り回すのはやめよう』とか、『物を取るときはフォークを使おう』とか言い出したんです。
というわけで、先ほどの光景をもう一度見てみましょう。
モスクワ……1930年代。
ということは、つまり、中世も同然の暴力時代ですからね。
ストップ! ストップ! その発言は、色々と危ないです!
ううむ、まぁ、じゃあ、先を急ぎましょう。
そこは、スターリン主催の会食。
がさつもののフルシチョフは、バクバクと手づかみで食べていた。
……つまり、手づかみで食べるのは別にマナー違反じゃないと?
そのとおり! インド料理や古代ローマだと手づかみが基本な物もありますからね。
騙されている気もしますが……まぁ、続きをどうぞ。
あることにたまりかねたスターリンは、一言、それを口にする。
ニキータ、ナイフを使え。
その言葉を聞くや否や、フルシチョフはナイフを手に立ち上がった。
はい! で、誰を、やるんで? 同志スターリン?
つまり、これは『平和に食事を楽しんでいたニキータ君』が上司から『武器を取れ!』といわれ、『敵は誰ですか!?』と訪ね返す物語です。
……ほ、本気ですか?
当然です
あの、それで、今日の教訓は?
はい、本日ご紹介したのはテーブルマナーの大切さです。これは、殺し合いを避けるためのルールですからね。
食事の前に、生き残る術を学ばなければ誤解から殺し合いになってしまいます。皆さんも、テーブルでナイフを使うときはくれぐれもご注意を。
つまり、切ること以外に使っちゃダメっていうだけですよね?
ええ、でも、こうして大切な由来を知っておくと無駄に見えるマナーにも意味があることが分かるでしょう?
皆さんも、隣人と殺しあわない為にもマナーを学んでくださいね!
実にグルメな感じではありませんでしたでしょうか。
思いついたら、また、適当に更新します(。・ω・)ゞ