工藤玲(くどうれい)

ただいまー

高橋るい(たかはしるい)

あら、おかえり

高橋るい(たかはしるい)

思ったより早かったわね

工藤玲(くどうれい)

ほんとはもうちょっとゆっくりしたかったんだけどね、思ったより空いててさー

高橋るい(たかはしるい)

今大変なの知ってるでしょ。冗談でもそんなこと言わないでよ

高橋るい(たかはしるい)

あら、その後ろの子は?

工藤玲(くどうれい)

さっきそこでたまたま会ったんだけどついでにスカウトしてきた

中村多喜男(なかむらたきお)

始めまして、中村多喜男と言います

中村多喜男(なかむらたきお)

先ほど工藤さんにご迷惑をかけてしまったため、何かお手伝いできないかと

工藤玲(くどうれい)

て、こと

高橋るい(たかはしるい)

詳しい事情はわからないけれど、手伝ってくれるならすごく助かるわ

中村多喜男(なかむらたきお)

はい、なんでも言ってください

高橋るい(たかはしるい)

本当に助かるわ。じゃあここの机の書類をそっちのファイルにまとめてもらっていいかしら

中村多喜男(なかむらたきお)

わかりました

高橋るい(たかはしるい)

………

中村多喜男(なかむらたきお)

これは…こっちか。これはここと

高橋るい(たかはしるい)

…玲、あの子いったいどうしたの。こんなまじめな子が迷惑かけるとは思えないんだけど

工藤玲(くどうれい)

私がちょっと不注意で歩いていたら、道に立っていた彼にぶつかっちゃったの

高橋るい(たかはしるい)

あなたが悪いんじゃないの。何で彼が迷惑かけたことになってるのよ

工藤玲(くどうれい)

い、いやあ、私も悪いなぁとは思ったんだけど人手不足には変わりないからちょ~っと人員補充を…

高橋るい(たかはしるい)

人の善意を利用するなんて…

工藤玲(くどうれい)

あとでちゃんとお礼するからさ

中村多喜男(なかむらたきお)

………………

中村多喜男(なかむらたきお)

高橋さん、すごく綺麗だな。しっかりした人みたいだし

中村多喜男(なかむらたきお)

こんな美人二人に会うなんてまさかあの子が言ったこと、本当なのかな

中村多喜男(なかむらたきお)

いやいや、そんなことあるわけないか。たまたま運が良かっただけだよな

工藤玲(くどうれい)

あら、結構時間たってたのね

高橋るい(たかはしるい)

そうね、そろそろ今日の分は終わりにしましょうか

高橋るい(たかはしるい)

中村くんもありがとう。お疲れ様

中村多喜男(なかむらたきお)

はい、わかりました

工藤玲(くどうれい)

ほんとうにありがとうね。すごく助かっちゃった

工藤玲(くどうれい)

これはほんのお礼よ

中村多喜男(なかむらたきお)

…これは?

工藤玲(くどうれい)

私のアドレスと電話番号よ。またいつでも手伝いに来てね

高橋るい(たかはしるい)

こら、玲!

工藤玲(くどうれい)

わかってるって、ちょっとしたジョークよ、ジョーク

高橋るい(たかはしるい)

ごめんなさいね

高橋るい(たかはしるい)

私たち、これから食事に行くつもりなのだけど、もしよければ一緒にどう?もちろんごちそうさせてもらうから

中村多喜男(なかむらたきお)

いいんですか?

高橋るい(たかはしるい)

もちろんよ、こんな時間まで手伝ってもらってお給料も出せないのは申し訳ないのだけれど

中村多喜男(なかむらたきお)

いえ、大丈夫です。食事うれしいです

高橋るい(たかはしるい)

そう、ありがとうね。じゃあ、私たちは帰りの支度してから行くから下で待っててもらえるかしら

中村多喜男(なかむらたきお)

はい!

中村多喜男(なかむらたきお)

まさか一緒に食事に行けるなんて。今日はなんだかすごくついてるな

女神ちゃん

これも全部女神ちゃんのおかげだなぁ。感謝してもしたりないや。これはいっぱいお礼してあげないとな

中村多喜男(なかむらたきお)

そうだな、なになら喜ぶかな

女神ちゃん

壱王ってラーメン屋さんのつけ麺が絶品なんですよね

中村多喜男(なかむらたきお)

じゃあ、それにしよう…って

中村多喜男(なかむらたきお)

ええ!どうしてここに!?

女神ちゃん

私はあなたの恋を助ける「お嫁にしたいランキング4年連続1位」の

女神ちゃん

女神ちゃん!

女神ちゃん

ですよ。あなたの行動なんて全部筒抜けなんですよ

中村多喜男(なかむらたきお)

僕にプライバシーはないんですか

女神ちゃん

知りませんよそんなこと。神様に苦情の電話でもすればいいじゃないですか

中村多喜男(なかむらたきお)

神様に電話なんか繋がるの?

女神ちゃん

なに言ってんですか、そんなわけないでしょ

女神ちゃん

そんなことできたらとっくに神社なんて全部なくなってますし、賽銭箱は電話料金に変わってます。

中村多喜男(なかむらたきお)

相変わらずむちゃくちゃな子だ…

女神ちゃん

それはそうとお兄さん!

中村多喜男(なかむらたきお)

は、はい

女神ちゃん

さっそく二人の女性とお近づきになったようですね。さすがモテ期の力は偉大ですね

中村多喜男(なかむらたきお)

いや、別にお近づきになったわけじゃ。それにモテ期でもないですって

女神ちゃん

まあだ信じてないんですか。アホですかあなたは

女神ちゃん

そんなことだとせっかくの力がもったいないです!

女神ちゃん

まだまだ出会いはあるはずです。そろそろ自覚を持って自らアクションを起こしてみてはどうですか

中村多喜男(なかむらたきお)

そんなこと言われても

女神ちゃん

うるさいしっかりしろ、この平凡男

中村多喜男(なかむらたきお)

横暴すぎる…

女神ちゃん

では、私はそろそろお暇します。まだまだ見守っているので頑張ってくださいね

女神ちゃん

あと後日、壱王でつけ麺大盛りをよろしくお願いしますね

中村多喜男(なかむらたきお)

え!?ちょっとそれは

中村多喜男(なかむらたきお)

うわっ

中村多喜男(なかむらたきお)

あれいなくなってる

中村多喜男(なかむらたきお)

なんなんだあの子は…

高橋るい(たかはしるい)

お待たせ

中村多喜男(なかむらたきお)

あ、いえ、そんな待ってないです

工藤玲(くどうれい)

じゃ、早速行きましょうか

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