任務だ。内容は大型魔獣討伐。班編成はカノンに一任する。
数枚のレポートを手渡して、『時守りの騎士団』総隊長ログは、カノンにこう告げた。
魔獣の詳細、被害状況についてはレポートにある。急ではあるが、班員を集め次第出動してもらいたい
パラパラとレポートをめくりながら、カノンは答えた。
了解。二時間後には、準備を終わらせて任務にあたる。四人乗り戦闘車を一台、門の前に出しておいてくれ
分かった。よろしく頼むぞ
そういって答えるログの表情は安心しきっていて、カノンに対する確かな信頼感を表していた。
カノンは後ろ手に手を振ると、すぐさま任務の準備へと向かった。
(被害状況から察するに、どうやらでかい割に機動力がありそうな魔獣みたいだな……。さて、どう闘ってみるか。)
相棒の迫撃砲の手入れを行いながら、カノンの頭の中では、魔獣とどうやりあうか、そのシミュレートが既に始まっていた。