タキ

……あんまり歩き回るのも嫌だし、
やることを考えてから動こう……

タキ

図書室の本が回収される
ことも考えて……

タキ

うっ、ひとりだと
どうも独り言が多くなるなあ。
控えなきゃ……

タキ

昼間ずっとミヤちゃんと
話してたからかな。
昼間っていうか……『今日』ずっと。

タキ

「ずっとこうしてきたのよ」って……
ミヤちゃんは言ってたけど。
最初の記憶を私が持ってるのって
何か理由があるのかな……

タキ

っ!

タキ

盲点だった!
記憶が操作されるのが私だけじゃ
ないとしたら、ミヤちゃんがいまだに
正答に辿り着けてないのも
納得できる……

タキ

……いや、でも
そもそも脱出の仕方は
どうやって知るんだ……?
私にも、以前の私にもそんな記憶は
ない……

タキ

ていうか、検証してないのに
ミヤちゃんの言葉を鵜呑みにしすぎ
だよ!
外に出ようと試した記憶なんて……

タキ

はあ、ここに
ミヤちゃんがいれば……
あのときみたいにふたりで……

タキ

……あのとき、って
どっちの記憶だっけ?
ごちゃごちゃしすぎて頭痛くなってきた……

タキ

はあ、早くやることやって休もう。
何でこんな目に
遭わなきゃいけないんだ……

タキ

……なんか変だ。

タキ

校門は今朝と変わらず空いている、
なのに出ようとした瞬間だけ
意識が遠のいて……
出ようとしたことを忘れる。

タキ

正確には
出ようという気を忘れる……?
うまく表現できないけど、足が一歩も
動かない。

タキ

学校の外側に、なにか
強制的な記憶の書き換えシステムでも
備わっているのか……
厄介な。

タキ

……まあ、これで
出ようと試した記憶も、脱出の仕方が
わからないのに謎を仕込まされていた
意味もようやくわかった。
忘れないうちに書き留めておかなくちゃ。

実証
・正門から脱出を試みた
 →不可能。記憶を書き換えられる

仮説
・脱出方法、正答に近い答えは記憶から消される
・謎の内容は脱出方法
 →ミヤに解いてもらう

・脱出のカギ
 →記憶をとどまらせる方法をさがす?

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