深夜

絶対にそんなもの協力しませんからね!
そんなもの使ったら俺の体はこの世から消えてなくなります!

リース

えー、でも商品化できれば多分大儲けよ?
それにブラックホールってなんかかっこいいじゃない...

深夜

せめて時限式にして安全性を理論上完全に確保してから試作してください!
この間みたいに部室の半分を吹き飛ばすつもりですか?

リース

あれは...ごめんなさい...

 

ちなみにリースは魔法科学部においてまだましな部類である。それは常識のある人間が強く言えば納得するからである。
まぁリースは押しが弱いのだ。

深夜

押しの弱いリースがわざわざ先生に伝言を頼むとは思えない...
つまり俺に用事があるのは残りの二人のどちらか...

帰りたい!!!

クラン

やぁ深夜君!元気そうだね?
ちょっと研究を手伝ってくれないかな?

深夜

クラン先輩!研究はいいですけど、学連での研究発表の論文は完成してるんですか?このあいだ、締切まじかだって愚痴ってたじゃないですか!

 

2年の学生、クラン・マイセン。次々と新しい理論を発表し、業界ではそれなりに有名な人だが、その目的がひどいと有名な人でもある。

クラン

論文よりも研究だ!
もうすぐ完成するんだよ!
国中の幼い子供がどこにいるのか確認するレーダー!

深夜

なんでそんなもの作ってんですか!?

クラン

もちろん、小さい子が危険な場所に入ったことをしらせ、周囲の大人が安全を確保するためのセンサーとして活用するためさ!

深夜

本音は?

クラン

かわいい子たちがどこに集まっているのか確認してあわよくば肉眼に焼き付けるためさ♪

深夜

・・・・・・・・・

 

クラン・マイセン。彼は自分の欲求に正直すぎるロリコンなのだ。

深夜

まぁ止めませんけど、建前だけで行動してくださいね?
その研究のために俺を呼んだんですか?

クラン

え?私は別に呼んでいないよ?

深夜

ってことは俺を読んだのは...

深夜を読んだのは私よ!

 

奥のほうから深夜と同い年くらいの女の子が歩いてくる。
真壁 春。魔法科学部の若きエースにして深夜を実験台にしていろいろな無茶難題を吹っかけてくる女王が降臨した。

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