晴れた日の午後の公園。ベンチでたまたま盗み聞きしてしまった、とある女子会。
テンションの上がった、一方の女の子の話だけが聞こえてきます。

あーオツカレー。

やーちょっとさー聞いてよー。
昨日さー、ちょっとした知り合いの家に遊びに行ったんだよね。
うん、男ぉ。
やあっだ!もぉ!そう言う話じゃないってば。
まあ聞いてよ。

家行ったって言ってもさー。なんかある訳じゃないのさ。いつもいつも。
や、ね、そんなしょっちゅう行ってる訳でもないんだけどさぁ。
私が居ても、その人ゴロゴロしてるか机に向かってるかの、どっちかだし。
どっちかよ。そーどっちか。ホンキで何でも無いから。
こっちも別にさーあ?会いに行ってやってるのにーとか、そう言う意識も無いから良いんだけどね。的な。

いっつも難しそうな顔しててさ、なんかちょっと神経質そうな感じでさ。
そのワリに床に丸めた紙ゴミとか落ちてるワケ。
お茶にするー?とか声かけても2、3回気づかなかったりとかザラだし。
気づいてくれたと思ったら「ああ、そうだね。」とかそんなもんよ。
まぁ、私、お茶なんか淹れられないからやってもらうんだけど。そそそ。
お土産持って行っても、なんか困った顔するしさ。
んー。これは結構みんなそうかも。
私センスないしねー。

ああ、じゃなくって。そー。
やーそんでもさー。なんか、居心地良いんだよねー。
甘やかされ過ぎずーでも許容してもらってるーみたいな。
だから床に落ちてるゴミくらい掃除してあげよっかなーとか。
それくらいは思っちゃったりするわけじゃない。
まあ、余計なことだったらヤダし、やらないんだけどね。

でさ、私バカだから良く分からないけど、
たまーにね、なんかの原稿?とか、見せてくれたりするの。
「今回は、どうかな。」って。
そう。なんか書いてる人みたい。なんか書いてる人。うん。
そんでそれさ、
さんざん考えて書き直してカタチにしたものをドウカナって言われてもさー
あなたが納得したからそのカタチに成ってるんでしょー?
って、思うじゃない?
っていうか、ソレ私なんかにフツウ聞くー?っていう。
でもなんかそう言うの可愛いかなーなんて思っちゃったりして。
ぶっちゃけ嬉しいし。

多分なんだけどさー。
自分の中にあるものには、自信あるんだろうね。
もちろんあっていいと思うし。むしろ無きゃダメじゃない?
でも、ソレがちゃんと伝わるか、が、不安なのかなって思った。
伝わったら伝わったで、ソレも怖いのかなーとも思った。
まあ、結局他人だからわかんないけどねー。でしょー?
うん?ああ、その原稿?わっかるわけないじゃーん!
私が分かるのは、私がそれを好きかどうかとか、そんなもんだって。
いやーだってそうでしょー。
まあね、でもね、なんか良いなーって、思うよ。

うん。良く分からないけど、良い香りを嗅いだ気分みたくなるよ。

何よ。え、マドロッコしい?

あはは、そう、で、実はなんだけどねーえ?






昨日ぉ、つい、
……膝の上に乗って喉鳴らしてきちゃった。

って、やっぱりそう言う話ー?みたいなーっ!

という、物書きさん宅にエサをねだりに行く猫と、そののろけを聞かされる猫の、女子会のおはなし。

1、公園のベンチにて

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