幼かった少年は年月がたち、再び竜の前へ現れた。
立派な―――国王となってね。
幼かった少年は年月がたち、再び竜の前へ現れた。
立派な―――国王となってね。
どうだい?これが少年と竜の物語りさ。国では【片翼の竜】というタイトルになったりしてた時期もあったけどね
うーん。どっちかって言うと。国王の話よね?国王ってこんなイケてる人間なんだぜ!みたいなお伽話
お伽話ですか・・・でも実際、この物語りが発祥されたとされる地方の王族の紋章が【片翼の竜】の絵柄なんだ
後付けって事も考えられるわ
それはまた・・・夢の無い話ですね
トキは門に飾られているレリーフをステッキでコツコツと叩く。
プリステアはステッキの先に目を送る。
あっ
トキは既にステッキをクルクルと回しながら、先に歩いていた。
せっかくですから、国王にお伽話かどうか確認してきましょうか・・・もっとも、今の国王は知らないかもしれませんがね
トキの独り言は、プリステアには届く事なく、風にかき消された。