マコ、トラ、トキが
資料室を調べているころ、
レンとサナエは外の探索へ向かっていた。
この時代に不慣れな2人の為、
鬼の双子の片割れである
みことが同行を申し出てくれた。
マコ、トラ、トキが
資料室を調べているころ、
レンとサナエは外の探索へ向かっていた。
この時代に不慣れな2人の為、
鬼の双子の片割れである
みことが同行を申し出てくれた。
さてと…
どこに向かうかなー
情報だと、
”大きい森”と
”天の香久山”ね。
ご希望の場所に
ご案内致します^^
んー…
じゃあ、まず森に行くか…
○森
みことの案内で
近くにある大きな森にやってきた。
中へ踏み入ろうとするレンとサナエ。
しかし、慌ててみことが止めに入る。
皆様、お待ちください。
ん?どうした?
ここがその、”大きな森”だろ?
ええ、そうなんですが…
入っちゃダメなの?
皆様、既にご存知だと思いますが…
力を持った鬼…
”さい”という女性が住んでいるのが
この森なんです。
それじゃ、尚更
会っといたほうがいいんじゃ?
確か、近々会うって…
はい。明日には会えるよう、
シマ様が手配してくれています。
明日?
ええ。
その力故、あの方とは、
外界の者が簡単に接触
できないようにしているんです。
ですので、この森には
一度入ったら中々出られない術が
かけられています。
先に言っといてくれ…
明日には内側から
術を解いてもらいますので…
わかったわ。
じゃあ、ここは明日ね。
ってことは、次は天の家具山ね♪
森には明日は入れるとわかった2人は
続いて”天の香久山”と呼ばれる
山へ向かうことにした。
○天の香久山
みことの案内で山のふもとへ到着する。
そこには重苦しいたたずまいの
石段が続いていた。
…ッ!
石段の前まで来て、一行は足を止める。
まだ登る前であるというのに
不穏な気が流れてくるのだ。
…いつもこうなの?
い、いえ…いつもは
このような感じはありません…
…何かいるのか…?
突然の事態。
戸惑う一行だったが、
警戒しつつ石段を登ることにした。
しばらくすると、頂上にたどり着いた。
何かが祀られているのか、建物が見えたが、
そんなことはどうでもよかった。
凄まじい邪気を放つ何かが
建物の前に、いる。
…!!
お前は…!!
やっと取り戻せたわ。
見覚えのる姿にレンは絶句した。
其れは、飛鳥時代へ飛ばさえれたあの日、
現代の神社で会った猫と同じ姿をしていた。
…っ!
何よ…この力…
体が動かない…
一同は応戦しようとするが、
その凄まじい力に
体を動かすことができなかった。
しかし、其れは突然現れた来訪者を
全く気にしていなかった。
あと1つ。
ま…まてッ!!
何とか声をかけるも、
体を動かすことはできない。
其れは一同をチラリとだけ見たが、
何もせずに去っていった。
…しばらくすると、場の緊張が解けた。
一同は糸が切れたように
その場にへたり込んだ。
っ!
…はぁ
命拾いって感じね…
今のが…
俺たちの
倒さなきゃいけない相手か…
放つ邪気だけで
動けないなんて…
くっそ~!
あんな奴倒せるのかよ!
…
長い沈黙が流れる。
…考えても仕方ないわ。
他の子達が何かいい案
見つけてるかもしれないし…
…そうだな…
皆様…
申し訳ありません…
あんな強力な悪魔…
別に、みことが謝ることじゃない。
そうそう。
アイツを倒さなきゃ
帰れないのは私たちなんだから。
ま、なんとかなるだろ…
たぶん…
レン様…
…はい…!
ありがとうございます…!
こうして、3人は館へと戻ることにした。
しばらくして、一同は部屋へ集合していた。
集めた情報を共有することにする。
ええぇええぇ!
おにーちゃん達が会ったのって
”九尾”だよね…!?
たぶんな…
おそらく、間違いありませんわ。
”やっと取り戻しせた”
”あと1つ”ってことは…
残ってる封印は
最後の1つだけってことね。
でも、最後の一つは
大丈夫なんだろ?
何か手を使って
封印を解いてくるとも限りませんわ。
でも、その前になんとかしないと…
最後の封印なんか
解かれちゃったら
絶対勝てないよォォォ!!
でも、何とかって言ったって…
話をしていると、シマが入ってきた。
お主たち。
九尾に会ったと聞いたが…
あぁ、シマさん。
そうなのよ、天の香久山で…
奴は、あと1つ、と?
ああ。これって
封印解かれたってことだよな?
間違いないだろう。
…だが、残り1つは大丈夫だ。
絶対に、
大丈夫なんですの?
最後の封印は、神木に封じ込め
この国で最も神聖な湖の底へ沈めた。
あれを手に入れるくらいならば、
まず今の力で国を滅ぼすだろうな。
うえぇぇえぇぇ!
じゃあ、もう襲って来るんじゃ!?
取り戻した力の着床には
しばらく時間がかかる。
襲って来るとしたら、それからだろう。
だが、その間に手を打たねば…
どうしたらいいんですか?
うむ。わからん。
わからんてぇぇぇl!?
ちょっと、ホントに
手がないワケじゃないわよね!?
…それについてだが、
明日”さい”という女性にあって欲しい。
ああ。それなら
あやなとみことから聞いてる。
彼女が何か
道を示してくれるだろう。
それに賭けるしかない
ということですわね。
…すまんな。
重い空気。
誰もが意気消沈するなか
口火を切ったのはレンだった。
だぁぁぁぁぁ!
だから、この空気はダメだ!
レンくん…
なんとか、なる!!!
…
ふふふ。
みことちゃんにも
そー言ってたわよね。
まだ、”さい”ってやつに
会ってみなきゃわからねーだろ。
で、でも…
トラ、夜と九尾どっちが怖い?
く、暗いのはやだ…!
なら、九尾のがマシだろ。
たしかに…!
…ふふふ、そうですね!
レン様の言うとおりですわね。
ここで落ち込んでいても
仕方がありませんわ。
そーと決まれば、
明日に備えて美味しいお酒ね!
明るさが戻っていくのを見て
シマはポツリとつぶやいていた。
この時代に飛ばされてきたのが
お主たちだということ、感謝せねばな…
ついに、姿を現した九尾。
その圧倒的な力に絶望しながらも
立ち向かう決意をした退治屋たち。
明日会えるという、力持つ鬼”さい”は
何かを示してくれるのだろうか…
まぁ、その前に夜が来る。
い や だ ぁぁぁぁぁ !!!!
つづく