あの出会いから数日経った。

ユウヤ

それじゃあ学校に行ってくるよ。

エリーゼ

はい。行ってらっしゃいですの、ユウヤ。

ユウヤ

いつも通りメシはあいつが持ってくるからな。

ユウヤ

それと、明日から連休だから元の世界に帰られる方法を探しに行くか。

エリーゼ

ありがとうございますの♪

エリーゼ

でもせっかくのお休みなのに、お友達と遊びに行かなくていいんですの?

ユウヤ

あぁ、そのへんは心配すんな。カズヤには連休中は用事があるって言ってあるしな。

ユウヤ

それに、あいつにエリーゼと暮らしてるなんてバレたらまたちょっかいかけられるに決まってるしな……。

エリーゼ

ユウヤ、早く行かないと遅刻しますの

ユウヤ

あ、いけね。

ユウヤ

それじゃあ今度こそいってくる。

エリーゼ

はーい♪

エリーゼ

ユミが来るまですこし暇ですの……。

ユミとは、何をやっているのかわからないが1日中家にいるお隣さんである。

エリーゼがユウヤの家に来た時にばったり鉢合わせ、ユウヤがいない間のお世話を自ら引き受けてくれた優しいお姉さんだ。エリーゼを見る目つきがすこし怖いが

エリーゼ

それに、そろそろこの状況をどうにかしないといけませんの。

ユウヤに出会ったあの日から、未だに元の世界に帰れる方法が見つからず、焦りは増していく……

エリーゼ

でも、どうにもなりませんんし、難しいことはプリンを食べてから考えますの!

なんてこともなく、むしろこの環境に適応しているエリーゼであった。

むしろ、この状況に焦りを感じているのは他ならぬ犯人(?)である。

???

さすがにのんきにしすぎですよ!

???

こんなんじゃレポートなんて書けないじゃないですかー!

???

ここはなにかアクションを……、いやでも、現時点での私本人の介入は禁止されてますし……。

???

あ!私、ひらめいちゃいました!

???

そうと決まれば……、あっ、すみません。いつもお世話になっております。……はい、エージェントを一人接触させます。

???

はい、できれば彼女がいいですね。事情も知っていますし……。

???

ではそのように。それでは~♪

???

ふっふっふ~♪ これでよし。さすがにこの部屋に来てもらわないと話が進みませんしね~♪

???

では、また見守りますか。

そんなわけで、彼女に近づく人が一人……、

エリーゼ

部屋でテレビを見ながら食べるプリンは格別ですの!

エリーゼ

あ、ユミかも知れませんの!

エリーゼ

でもいつもより来る時間が早い気がしますの……。

エリーゼ

まぁいいですの。はーい!

インターホンを確認せずに扉を開けるエリーゼ。

カズハ

……。

エリーゼ

……。

カズハ

はぁーい♪

エリーゼ

……。

エリーゼ

部屋に戻ってテレビを見直しますの!

カズハ

まてぇい!無視しないの!

エリーゼ

きゃっ!

エリーゼ

だ、誰なんですの!?

カズハ

なんかもう横に名前出ちゃってるけど名乗るわね。あたしはカズハ。

カズハ

貴女をとある人に合わせたくてね。迎えに来たってわけ。

エリーゼ

は、はぁ……。とある人って誰ですの?

カズハ

それは着いてからのお・た・の・し・み♪

カズハ

さぁ、来なさい。

無理やり手を引っ張られて連れだされる。

エリーゼ

い、いたいですの!ちゃんとついていきますから放して欲しいですの!

カズハ

だぁめ♪

エリーゼ

えー!

そして、1時間後。

エリーゼ

足が痛いですの……。お腹すきましたの……。早く帰りたいですの……。

カズハ

どんだけ足腰弱いのよ。1時間歩くぐらい問題ないじゃない。

カズハ

それに、もうすぐ元の世界に帰れるようにするんだからすこしは頑張りなさい。

エリーゼ

えっ!?まだ何も進展していないのにいきなり帰れるなんてさすがにぶっ飛び過ぎですの!

カズハ

仕方ないじゃない!あなたが行動起こさずプリンなんか食べてるせいよ!

エリーゼ

なんでそんなことまでお見通しなんですの……。

カズハ

あたしはそういう報告を聞いただけなんだけどね、

カズハ

さ、着いたわ。

そこは、様々な機械が置いてある不思議な場所であった。

エリーゼ

な、なんですのここは……?

カズハ

ここは異世界へ渡るための施設よ。

カズハ

まぁ戻れるかはこの人次第だけどね。

???

どーも、お久しぶりですね。エリーゼさん!

エリーゼ

あ、貴方は!

エリーゼ

何ですの? このスマホ。

???

忘れられてる!?

???

貴女をこの世界に届けた張本人ですよ! スマホですけど!

エリーゼ

あー!あの時のうるさい石版ですわね!!!

エリーゼ

なんでわたくしをここに送ったのか説明をよこせですの!

???

な、なんか性格変わってません!?

???

ま、まぁもとよりそのつもりです、

エリーゼ

じゃあとっとと話してほしいですの。早く帰ってユミのお昼ご飯食べたいですの!

???

適応しすぎですよ……。元の世界に早く帰りたいって思わないんですか?

エリーゼ

確かに帰りたいですの。

エリーゼ

でもどうせすんなり帰してくれそうにありませんの。ユウヤの持ってた漫画でもそうだったですの。

???

漫画って、貴女ねぇ……。

???

でも仰る通り、当分は帰れません。その辺もお話したかったのです。

???

でもお話が長くなりますので、ちょっと待っててくださいネ。カズハさん。局長を呼んできてくれますか?

カズハ

分かったわ。

エリーゼ

局長?

???

はい、この施設の局長です。それでは私は一旦電源を落としますね。説明は局長から。

エリーゼ

へ? あ、ちょっと!

???

……。

エリーゼ

電源が落ちてますの……。

カズハ

エリーゼちゃん、局長を連れてきたわ。

エリーゼ

ま、まだ全然状況が飲み込めてませんけど、局長って人にいっぱい問いただしますの!

エリーゼ

なんでわたくしがここに飛ばされたのかを!

エリーゼ

いややっぱりお腹を満たすほうが先ですの。プリンがほしいですの。

えらくのんきなエリーゼであった。

そして、そんなことを考えていると、カズハの後ろから局長が姿を表した。

エリーゼ

って、どこに居ますの?全く姿が見えませんの。

ソエル局長

下!下にいるから!

エリーゼ

きゃっ!猫がしゃべりましたの!

ソエル局長

全く、猫がしゃべる位でなんじゃ。お主の国では普通じゃろ。

エリーゼ

しゃべる猫なんて漫画でしか見てませんの!

ソエル局長

お主は厄介になっている家のものに毒されすぎじゃ。

ソエル局長

ごほん。自己紹介がまだじゃったの。わしはソエル。この支局の局長をしておる者じゃ。

エリーゼ

あ、ご親切にどうも。わたくしはエリーゼですの。

ソエル局長

さてエリーゼ君。君は元の世界に帰りたいかね?

エリーゼ

帰りたいですけど、この世界も割と好きですの。だからいますぐに帰りたいってわけでもありませんの。

ソエル局長

え?そうなの?ほんとに?

エリーゼ

はいですの!

ソエル局長

うーん、それはそれで話が進まないんじゃが……。

エリーゼ

でも、どうしてこの世界に飛ばされたのか、その理由は聞きたいですの。

ソエル局長

ふむ、わかった。もとよりそのつもりじゃ。

ソエル局長

あれはそう……。全てはお前さんの国で今起こっている出来事のせいじゃ。

???

さて、進んでるのか進んでないのかよくわからないこのレポートも、そろそろ終わります。

???

ぶっちゃけ介入してね?とか、話が唐突すぎだよ!とか、いろいろ思うことはあると思います。

???

ですが、それをぐっと飲み込んで、もう少しこのレポートにお付き合いくださいませ。

???

それでは皆様、また次のレポートでお会いしましょう。グッバーイ♪

いやほんと、一体どうなることやら……。

エリーゼの場合。その2

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