そこには机などに書類が散らかっており実験器具もいろいろと置いてありこれらを見た茂はこう思った。
「もしかして研究所なのか」
そこらに置いてある書類を見てみるが全てドイツ語のため何と書いてあるのかわからなかったが絵を見ると動物や人間などの生物について書かれている
のはわかった。

茂は何か踏み入れてはいけないものとに踏み入れた感じが徐々にしてきて不安になってきた。
そしてカワウソはまた急に走り出した。
「またか、何なんだ急に」
またカワウソの方へと追いかけて行くとその方向には地下へ続く階段があり茂も一緒に降りて行った。
寂れて今にも段差が抜けそうさ階段を降りていった先にあるものを見つけた。

「おい、そこで何やっているんだ。大丈夫なのか」
そこにはショートカットの髪をした女が前屈みになりながら椅子に座っていたが呼び掛けに全く反応しないのだ、そこで尽かさず女の方へ行くとあるこ
とに気付き、さっきまでは人間の女がそこにいると思っていたがそれは間違いでそこには女の形をした人型ロボットがあった。

「やけにリアルだなこのロボット、最初見た時は本物の人間だと思ったんだけどな」
一方カワウソはそのロボットに飛び乗り始め背中の方にあったスイッチを押した瞬間、突然ロボットが椅子から立ち上がりこう言った。
「ここはどこ... 」
茂は突然動き出したロボットに驚きしりもちをつきカワウソも動き始めたロボットから振り落とされた。
「あんた喋れるのかい」
「あの... あなたは... 」
女ロボットはそう言ってきたのでこれまでの経緯を全て話したのだ。

「そうですか、それでここに私がいたと... 」
「それよりここで何をしていたんだ」
「何も覚えてないんです」
この女ロボットは何故ここに自分がいるのかや名前すら覚えてなかった。
そんなことを言っている中、女ロボットは茂が買ってきた唐揚げ弁当をじっと見始めた。
「もしかしてこれ食べたいのか」
そう聞くと聞こえるか聞こえないかの小さい声で「はい」と言ったのだ。
「でもあんたロボットだから食事はしないだろ」
「でもお腹は空いています」
女ロボットは先ほどとは裏腹にビシッとした声でそう答えると袋に入っている唐揚げ弁当から唐揚げを一つ差し出しすとあっという間に一口で食べたのだ。

( 本当に食べたのか...)
そして唐揚げを食べ終えた次は突然こんなことを言ってきた。
「あのお願いなのですが私を引き取ってはくれませんか」
何故かと訳を聞くとこのままこんな所にいてもどうしようもないから外に出たいと言ってきた。
茂は一瞬考えた末、この女ロボットを引き取ることを決意した。
( 所詮ロボットなんだけどな、本物の人間みたいに見えてここにずっとほっておく訳にはいかないんだよな)
「ありがとうございます、これから宜しくお願いしますね」

茂たちが外に出た頃には完全に夕日が沈んでおり辺りが真っ暗になっていたのだ。
「おじさんはカワウソを飼われているのですね」
「あーこのカワウソはさっき捨てられていたから拾ったんだよな」
「そうなんですね、でもこのカワウソ何でか知らないですけど初めて会った気がしないのですよね。もしかしたら一度何処かでお会いしたかも知れませんね...

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