彼の背中をさすりながら、車に乗せていた
ティッシュと袋を用意して、
吐き切るのを待ちました。

しばらくすると全て吐いて、楽になったのか
彼が立ち上がりました。

水のペットボトルを渡すとそれを飲み干して
「ごめんなさい。」
と神妙な顔をして言いました。

私は少し安心して彼に
「もう大丈夫そうやから、帰ろうか。」

すると彼はすごく真面目な顔をして、
「もう1時間だけ、一緒にいたい。」

この言葉の真意が分からず、
私はきっと戸惑った表情だったと思います。

そんな私に彼がまた言いました。

「何もしないから、ただ一緒にいて。」

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