「いらっしゃいませー」
 今日も深夜のコンビニのバイトだ。
 俺の名前は南雲 朝日。ほとんど客が来ない深夜バイトは暇だ。なので最近のサボり方は入口の横に置いてある本を立ち読みすることだ。
 ジャ◯プやサ◯デーとか置いているが俺が最近気に入っているのはホラー系だ。短編集なのだが1つ1つの作り込みが凄くて読んでいて飽きない。
 最近では自分も心霊現象とか体験したいと思っている。そう思うと深夜バイトも案外楽しく出来る。
 今日もコンビニの仕事が終わり引き継ぎをした後、暗い夜の道を歩く。
「今日も働いたー」
 いつもの道を歩いていると街灯の下に白いワンピースを着た女性?らしき人が上半身をゆらゆらと揺らしながら立っていた。
 俺は直感で霊だと思った。
 念願の霊を見て俺はとてつもない興奮と恐怖を抱いた。
 視線を霊から話そうとしても固定されたように目が話せない。
 霊がぐるりと首を回転して目が合ってしまった。
 これは死ぬと思った矢先、街灯が前触れもなく割れた。
 体が動くようになったが、腰が抜けたせいでたちあげることが出来ない。
「大丈夫かい?」
 後ろから声をかけられてビビったが振り返ると生きた人間で俺はものすごく安堵した。
 その人は作業服のような格好をしていて、手には腕ぐらいはあろう釘を持っていた。
 それに気付いた僕はまた別の恐怖が込み上げてきた。

異変調査隊

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